素因数が存在すること
はじめに
2以上の自然数が素数の因数(素因数という)を持つことは自明なのだろうか?
そんな疑問を持ったので、ここに証明を書くことにしました。
証明の準備
素数の定義を確認しましょう。
自然数$${n}$$が素数であるとは、$${n}$$の正の約数が$${1}$$と$${n}$$しかないときをいう。
ただし、$${1}$$は素数ではないとします。
証明
さて、$${n}$$を2以上の自然数として、$${n}$$が素因数を持つことを証明しましょう。
集合$${A}$$を$${n}$$の2以上の約数全体からなる集合とします。
$${A}$$は$${n}$$を要素として持つので、空集合ではありません。
したがって、$${A}$$は自然数全体の空でない部分集合なので最小値$${m}$$を持ちます。
このとき、$${m}$$は$${n}$$の素因数であることが、背理法によって証明できます。
もし、$${m}$$が素数でないと仮定すると、$${m=pq}$$かつ$${2\leq p \leq q < m}$$を満たす自然数$${p, q}$$が存在します。
このとき、$${p}$$は$${A}$$の要素ですが、これは$${m}$$の選び方に矛盾します。
以上のことから、$${n}$$の素因数が存在することが証明されました。
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