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ジンジャークッキーイブ ②

 ご主人さまがクリスマスの準備にジンジャークッキーを焼きました。種を伸ばして型抜きするのです。何回かに分け何種類かの型を使います。熱ムラであるものは焦げ目がつき、別のものは白っぽい顔だったりしました。

ツリーの下でクッキーたちがおしゃべりをします。
「オレたち同じ窯で焼かれた仲間だよな?」「成分が違うよ。入れ忘れたスパイスが足されていない奴とはいっしょにされたくない」
「俺たち同じ型抜き仲間だよな」
「キミは1ミリ差で俺より厚みがないじゃないか」
それでも同じポーズの人型同士小ぶりな星型に比べれば仲間意識がわくのでした。そのうち誰かがこんなことを言いだします。
「イブというのがあるらしい」
誰も何のことだか知りません。知恵をつけられた者が眉をひそめて話をします。
「イブとは女のことだ。うるさくてプレゼントを要求するそうだ」
みんなは震え上がりました。
本当でしょうか。今夜はまだ22日なので、結末がどうなるのかまだわかりませんが?

410字

やはり平和に過ごして欲しいですよねクリスマスもそれ以外も。


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