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oimostudy2
「ふりかえるとよみがえる」救命編
現場は騒然としていた。
「うつさないで!」
絶叫する声。それが移すなのか写すなのか感染すなのかもわからない。
「やられたらしい」
「ええっまた?」
「今度は誰よ」
黒山の人だかりができている。そんななかで、ひとりの女がヒステリックに場を仕切っていた。「あなたは救急車を呼んで」「アナタはAEDもってきて」「あなたはマッサージ!」「人口呼吸」そしてあなたたちは背中をこっちに向けてここを取り囲んで頂戴。女たちは言われたとおりに手を繋いで裏返しのカゴメを作る。背後で機械的な音声が指示をだしている。わらわら湧いてでたオジサンたち、「何だよ隠蔽かよ」「ねえちゃん足細いから隙間から見えるぜ」などとからかう。まったくロクなもんじゃない。機械はそれ以上しゃべらなかった。
「良かった、心臓は正常に動いているみたい」
到着した救急隊のために道を開ける。ほっとしてふりかえるとよみがえる卑弥呼様はすでに衣装を身につけておられた。
400字
初めてAED研修を受けたとき(昔)ある年配の女性が倒れた人の胸元を隠してあげるべきという発言をしたら救急隊のオジサンが生命がかかってる時にちょっと見られるくらいなんぼのもんじゃ女はいつも本末転倒と断言してその場の誰も言い返せなかったことがありました😓
たらはかに様の企画に参加しています。