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全力で推したい駄洒落

 わが国のショウシカに歯止めがかからない。人々が駄洒落を口にしなくなった現象を省シャレ化と称し略して省シ化。笑止である。お察しの通り背後にお役所が噛んでいる。新たに省庁ができて担当大臣が決まった。ゆるキャラマスコットの「だじゃれちゃん」もデビューした。義務教育の正式科目として取り上げられることも決まった。さらに条件を満たせば駄洒落手当も給付されるのだ。駄洒落全力推進政策である。だが肝心の言葉と言葉の出会いの機会はなく新しい駄洒落が誕生することは稀だった。そもそも互いに水と油のような間柄なので一緒に居ることに価値を見いだせないのだ。その上すでに成立しているカップルにも危機が忍び寄っていた。

 ある日、夫・布団が言った。
「全力で押したいね、離婚届に印鑑を」
すると妻・吹っ飛んだが答えた。
「離婚面倒(recommend )だわ」
「おかげで僕がかろうじて保たれているのですよ」
子・布団が吹っ飛んだが語る。

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