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バイリンガル餃子

王妃「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの」
その言葉を翻訳アプリに入力した。
『パンが無いのならばお菓子を食べればよい』→『没有面包就吃点心吧』
おっと、
『ケーキ』→『蛋糕』
これで通じるだろうか。
パンもケーキもすでに彼らにとって当たり前の食べ物になっている。スーパーには廉価な大量生産の菓子パンがあり至る所にベーカリーやケーキショップがある。(どうせあれもこれもあるのだから)一つに拘泥せず代替を考えるべきだという王妃の意図そのままに解釈されるかも知れない。彼らはそこまで裕福だ。
待てよ『点心』? 一口餃子など飲茶が思い浮かんだ。元々主食格の皮厚の餃子に不自由している人にお茶受けの小ぶりでお洒落な餃子を勧めるのはかなりいいセンかも?
王后说: 没有餃子就吃水晶蝦餃吧。
「餃子がない? ありえない。粉さえあれば何かしらを包むだけだし」
「母の世代は舞台の動画とアニメとコミックで知っていますよその漫画」
自然な日本語が返ってきた。

410文字

そして王妃は懲りていなかった。
「玉座がダメなら王座につくわ」

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