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「謹製金星菌性」和解編

「もしもし母さん?」
そ、その声は。受話器を握りしめる手から脂汗がにじむのがわかる。
「どちら様でしょうか。銀行口座でしたら生憎空っぽですわ。取引先のお金を紛失したなら自己責任でしょう?」
「そっちじゃないんだよ。彼女が妊娠しちゃってさ、」
そ、そんな。よりによって私に孫が? 
「だから頼むよ母さん」
思わず受話器を置く。探し当てた古い番号を震える指でダイヤルする。
「考えてくれた? 男の子の名前」
やっぱり本物か。
「そ、そうね。製ちゃんは? 星ちゃんも性ちゃんもいいわね」
背後で何やらボソボソやり取りしている気配。あーやめてよこの持ち帰って上と相談しますので的な鈍いリアクションは。
「もしもし? ご無沙汰しております。お義母様」
そ、その声は。
「私の姓がキンで二人でそれを名乗ることへのご不満はおありでしょうけれど」

 三つ子は謹家の跡取り、金家の養子、菌家の養子となった。ペイちゃんとかジョンちゃんなど禁制を言わなかったのは上出来⁉︎

410文字

たらはかに様の企画の裏お題に参加しています。

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