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デュエル🐈デュエット
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彼は猫を飼っていた。いや、猫のほうから勝手に棲みついてきたのだ。猫たちはねずみ算で増えたわけではない。ロボットだったりぬいぐるみだったりした。そこらじゅうでミャアミャアとまるで尾張弁だ。しかもかなりの割合でオスだった。オネコは良い猫だ。頭と性格が良いのはもちろんだが、運を招き寄せるところがあった。もともとが猫たらしの彼であったが座敷に飾られたオネコの威力でトントン拍子に昇進した。ドンのお気に入りの座を手に入れたのだ。ドドんとテ〇ドンの落下をすり抜け、跡目争いに勝利をおさめた日。彼の人生にもう一人の運命の猫がやってきた。たぬきうドンも猫をかぶってしのび寄る。彼は疲れを感じ始めたのか。サルが猫を飼うのは無理があったのか? まだまだこれからじゃ、太政大臣太閤殿下似たりよったり、これを略せばだいたいニャー。
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この時点ではまだ茶トラとは関わらない、たぬきうドンとの慎重な駆け引きという選択肢も残されていたのだが。オネコと茶トラのふたりが火花を散らすと見せつつ、密かに自分を狙っていたとは知るよしもなかった。
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