心お弁当 御伽草子編
「心おきなく出掛けておいでとあなた作っておいたわ置き弁を」
あまり知られていませんが私太郎の母こと洗濯婆は短歌を詠むのです。
「精神的に向上心のない者は馬鹿だ。さあお弁当だ」
息子太郎は鬼退治こそ得意でしたが勉強は苦手でした。ですから国語の時間は早弁タイム。
「家族五割仕事三割で米五割肉三割野菜二割」夫の芝刈り爺の心のうちです。はじめの部分は数字が合いません。残り二割は何でしょうか?
「フタをあけたら蟹焼売肉焼売の点心お弁当」心の隙間につけ込む鬼がこっそりと置き弁を開けてしまったようです。
「わわんわんわんわんききーきーきーきーケケーンケーンケーンケーン」
おやおや息子の子分たちが加勢してくれたようです。心を一つに敢闘しました。
ところでアナタの心の残りの二割はいったい何? 思わず問いつめてしまいました。そうしたらお爺さんたら。
「趣味に割く心のゆとりがあってもいいじゃろキャラ弁づくり」
ですって。(和歌づくり婆の独り言より)
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困ったときのなんとやら😅
たらはかに様のお題に参加しています。