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告白水平線 ③ チクタク水兵さん他編

「自白は証拠の女王と言われる一方で自白のみでは有罪にならないのじゃよばあさん」
「知っていますよ、あなたが私にコクりに来たのは単に罰ゲームだったってこと」
「では知っていてなぜ受け入れたのだ? わしらは大海を流れてきた桃も見逃し、根元の光り輝く竹も取らずにとうとうここまで来てしまった」
「そしてあの生意気な子スズメですね」
「選択モノは物欲しざおだね」
「今だから告白します。私の正体はあのときの鶴なのです。古着セーラー服を仕入れてはチクチクとタックを入れてリメイクしては小金を稼いでいたのです」
「そうだったのか。ではわしの負けたゲームについて告白しよう。孤立した吹雪の山小屋には二人しかいなかった。そして一人が死に一人が生き残った。さあ犯人は誰だ」
「それ、水平思考じゃなくてロジカル思考ですわ」
 この女とはどこまでも話が平行線だ。だからこそこれまで並行して共に生きてきたのではあったが。
「法螺イズンはもう沢山ですわ」

405文字

たらはかに様のお題に参加しています。

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