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「バイリンガル餃子」再会編

「ミヨちゃんバイリンガルになるの?」ときけば、まさかという答え。これは家庭科の授業で餃子づくりをしていたときの話だ。ミヨちゃんはお父さんの仕事の都合でアメリカに行ってしまう。これが最後の一緒にいられる時間だ。皮に餡をのせて縁をぬらしてひだを作って閉じあわせる。「寂しくなるね」フライパンに水を注ぐとジュウっと音がして蒸気があがった。
 30年後。
美代子はギョーザ四越ライオン前に佇んでいる。一方私は最玉県ギョーザ市の梅林洞ギョーザ店でレジを打っていた。おかしいな。待ち合わせの場所を間違えたのだろうか。ギョーザで会おうと約束したはずなのに。あのときフライパンに入れた水の量が少なすぎたせい? 煮え切らない気持ちと焦げついた家計でうだつの上がらない人生を送ってしまった? ぼんやりしていたら
「そこの班!もう少し水を、そうね倍いれて!」
と先生の声。ああ良かった。じっくりと美味しそうに焼けた餃子は明るい未来と再会の味がした。

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