秋の空時計 ①

「太陽は24時間かけて世界を周っている。時計の針のごとく。中世の人はそう信じていた。
だが違った。さらに地球だけがその針ではない。異なる周期で他に7つの惑星が公転している。これをソーラー時計という。
秋である必要はなかろうと言いたそうだな？　
　秋といえばある国にアキノという政治家カップルがいた。初めて聞くと日本人か？と思うがこれは西洋にもある苗字だ。中世のスコラ神学者にトマス・アクィナスという人がいた。これはラテン語読みで俗語だとアキノだ。ナポリの近くにその地名がある。アクィナスの墓はフランスのトゥールーズにあるという。死後に教会の派閥の対立のため遺体が分けられて埋葬されたらしい。聖人には珍しくない話だ」
　そこまで大人しく話をきいていた自分を誉めたかった。
「でもだからって、亡くなったあとは遺骨を7つに分けて生きている間に訪問できなかった惑星めがけて飛ばして欲しいというのでは、ぼくらが大変過ぎませんか、お父さん？」

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