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秋の空時計 ② #毎週ショートショートnote

 少年には未来を見る力があった。

 澄んだ空から桐の葉が落下した。
やがて坪内逍遥の戯曲で豊臣家の家紋の桐が散る話が描かれるであろう。

片桐且元といえば真田丸で鎌倉殿の三好殿とキャラが被ることになりそうだが同じ脚本家で同じ役者であろうから仕方なかろう。

家康の初恋の女性は今川家で出会ったその後の飯尾城主田鶴で、すでに人妻のお愛を見初めたのも田鶴に似ていたからだ説のせいで同じ女優が二役を演じる場合もあるようだ。

浜松とはこの地だ。やがて城ができるであろう。

「何をボンヤリしているの。冬支度を手伝いなさい」
母親の声に我に返った少年はたずねた。
「母さん、今って秋なの?」
母親が答えた。
「そうね。もう秋。でもまだ秋と言うべきかしら。この列島の歴史がいつまで続くかにもよるけど、後になって人類が登場したときすでに除夜の鐘が鳴り終わりかけていたなんて説も出てくるみたいだから」

 親子はまだ遠くにある海を見た。そのうち浜北人と呼ばれるのだ。

410文字

浜北人は1961年に当時の浜松市で発見された更新世人類です。
未来が見えるなら行く末もわかるはず⁉️ というツッコミはなしで💦


たらはかに様のお題に参加しています。

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