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お姫様ラッコ ①②

 何としたことか、兵糧攻めにあってもはやこれまでと覚悟を決めていたところに雲丹烏賊蛸帆立海老蟹トロ穴子の特上にぎりが出現したのだ。骨と皮ばかりになっていた味方の兵は寿司を一気にたらふく平らげ戦力を回復したのだった。その夜、持ち直した領主が枕を高くしていると、寿司屋(猟虎寿司)が現れた。
「よし、代金を払うぞ、寿司桶も返そう」
だが相手は不満げな表情を崩さない。
「父上、お忘れですか」
姫が口を挟んだ。
「あのとき、差し入れと引き換えに私をラッコ寿司に嫁入りさせると約束したことを」
「そんなこと言ったっけ?」
娘のラッコたる意見を父はラッコだにしない。いたちラッコだ。
 結局にらラッコで決着がついた。
仕方ないワシも江ラッコだ、とラッコいいところを見せるに至ったのだ。姫が寿司屋に謝ると、いいんです、憎まラッコは慣ラッコですからと寿司屋。

 一人冷やラッコをツマミに冷や酒を傾ける父ラッコであった。

跳梁ラッコする悪人退治の話はまた次回に

410字

八犬伝冒頭部分のオマージュです。


なんかイマイチ?



お姫様ラッコは商品名だ。Wを逆さにした土台にラッコの皮を貼ったソファで、座るとお姫様抱っこされる心地らしい。話に聞くだけで自分は座ったことがない。実際利用者に言わせると「実は気を使ってしまってくつろげないの、ラッコも可哀想だし」ということだ。安心した。実はこっちも腕が疲れていた。

140字

早めにしないとカブりそう💦

こちらの裏お題に参加しています。

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