「サラダバス」ハッピーエンド編
あたしたちが出会ったのは、いかにも胡散臭い『ホラーお宝対決番組』だった。
「ではAチームのホラーなお宝から参りましょう、こちらです」
ごく普通のおばさんが100均で買ったようなプレートを持って現れる。
「これ、番町皿屋敷で割れ残ったものです」
「まさか、メイドインチャイナのチャイナかいな⁉️
ではBチームのホラーなお宝は」
田舎のヤンキーな兄ちゃんがミックス犬を連れて出てきた。
「かのバスカヴィル卿の魔犬の末裔です」
テレビ画面に一斉に
「嘘くせー」のツイートが流れた。
「残念でした。ホラーというよりホラでしたね」
でも話はそれで終わらなかった。あたしたちは出会ってしまった。
「バスちゃーん♪」
の呼びかけに
「オン❣️」
と応える魔犬。だってあたしたち、ホンモノだったんだもの。えっあたしが誰かって? もちろんあの、皿だよ。
「サラダバス」
といってあたしにフードをもりつけるお菊姐さんも飼い主に恵まれなかったワンコ霊も今では本当に楽しそう。
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