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壁に少々らっきょう ②

 ただいまと重たげに扉が開いた。
「おかえり打ち合わせどうだった?」
妻は造形作家だ。美大の彫刻科を出て、石膏で彫塑を制作しては展示会に出品している。最近はほかに樹脂粘土でさまざまな物を作るようになった。
「疲れただろう? 夕食のおかずはボクが準備したからね」
私は昼の番組ヘルシークッキングで見たとおりの料理を並べた皿に盛り付けた。
「あら美味しそう。これはいったい何で作ったの?」
「ははは、美味いだけじゃなくて健康的なんだよ、このマンナンうどんサラダ」
「わざわざ材料を買ってきたの? 高かったでしょう?」
「いやあり合わせだよ」
「このドレッシングの甘酸っぱくてシャキッとした感じ、そうか、ラッキョウの瓶詰めが少しだけ残っていたわね」妻は感心して頷く。
「今日は作り直しって言われたけど元気がでたわ」
「そりゃ良かった」
「さあ、気合い入れてやり直すわ、日本の妖怪勢揃い。あれ? あれ?」
妻は冷蔵庫を覗き込んでいる。私は胃壁に違和感を、


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(冷蔵庫にあったぬりかべの素材に魂がこもったのを蒟蒻と間違えて細切りにしたための悲劇を読みとっていただけたら嬉しいです。一行目は妖怪の仕業です)スベスベ


たらはかに様のお題に参加しています。

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