「全力で推したい駄洒落」　愛でありますた編

　あるところに王様がおりました。そこの人々は普段から何か気の利いた言葉を口にするのが普通でした。洒落が言えて一人前という空気はお世話になったら謝礼をするのと同じくらい普及していたのです。
　さて、王子様の頃の王様ですがかなり成長してきたのに洒落や駄洒落をあまり口にしません。国の人たちは、困ったものだという人と最近の人はそういうのも有りでしょうという人に分かれました。とは言え将来は王様ですからね。ここは一つカレイに駄洒落を決めて欲しいものです。ある日八王子にお出ましになり
「私は王子ここは八王子」
とおっしゃいました。人々の期待は高まりました。その先の山梨に着いたとき
「この地の名物伝家の宝刀ですね」
と微笑まれました。おおグランプリンス、決まりでしょうか。報道陣から
「駄洒落さん一言お願いします」
と声がかかりますと、
「ハイ『この先も全力でおしたいします』と言われました」
とエスプリと女っぷりのリプライがあったのだとか。

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