腋の薔薇時計 ① #毎週ショートショートnote
「うー、腋のバラ時計を10セットくれ!」
空腹だった。焼肉かコレか迷ってこっちにしたのだ。すると売り場のオヤジのやつ、
「お客さん、悪いことは言わん。やめた方がいいよ」
などと説教モードに入っているではないか。「ほほう、腋の連番時計ならば買いだというのか、そっちを20セット貰おうか」
オヤジのペースに乗せられまいと大きな声を出した。すると、
「パパー、ボクの時計の貯金箱知らない?」
と突然子供が現れた。
「時計はあるんだよ、だけど、フタが開いて中身がなくなって空きのカラ時計なんだよー!」負けじと声を張りあげるではないか。
「知らん、誰だお前」
「ねーねーパパー、給食費早く納めてって先生が」
「ええい、うるさい」
振り払うとまるでマネキンのごとくその場にひっくり返り部品がバラバラ飛び散った。
「なんじゃこりゃ、時計仕掛けのカラクリ人形かい」
するとオヤジが、だから言ったでしょう、一番最初におっしゃった『浮気の腹』はマズイですよって。
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ヘッダーの画像がだんだん薔薇に見えてきませんか⁉️
たらはかに様の裏お題に参加しています。