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サイコの鶏唐 ① 最後のマスカラ編

 いったい誰に似たんじゃろホンマにまつ毛が長いのうと聞こえよがしの独り言を垂れ流し続けるタヌキ娘にそりゃつけまつげを貼ってマスカラを何度も塗ればそうなるわよねいくら赤ちゃんでもさそもそもそのマスカラだって頬紅だってルージュだってあたしのモノを断りもなく使ってるのだママにお姉ちゃんなんだから貸してあげてねと命令されてるあたしに要らんよお古じゃけんって啖呵切ったの誰だっけそのくせあたしに隠れてあれもこれも何から何まで取っていたくせにあたしだってあんたの手に渡ったガラクタなんでもう要らないよこの家財道具諸共頑丈な沈む舟に乗せて水に流してくれるわ音も熱も光も通さないこの棺桶のなかでゴミたちと過ごすのね最後の晩餐の鶏唐を食べながらと怒りに任せてパラノイアの妹と眠りこけるまつ毛の長い夫と証拠になりそうな品々の全てを潜水艇とやらに詰め込んで川に流したのは78年前8月5日の深夜のことだったのと赤い目を座らせトリガラ女は語る。

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たらはかに様の裏お題に参加しています。

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