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呪いの臭み ④ 旅日記編

 旅先が例によって旦那の実家の年忌法要だ。色々あり最寄りの旅館に泊まるのがわが家の慣わし、クーポンを貰い湯につかり自分以外の手による料理。悪くなかった前回までは。何の呪いか定宿の宿泊料金が跳ね上がっている。物価高×全国ナントカ割終了の恨みをかってしまったのだろうか。どこも満室だ。特急まで満席? 呪い以外の何でもない。スマホの奴がこんな宿知ってた?とばかりに『○○温泉人気宿』を出してくる。4位に名を連ねている宿、場所は便利だしビュッフェスタイルでないし一応かけ流しのようだ。よしここに決めた。何の呪いか道が混んでいる。何の呪いかバストイレ付きでない部屋に案内される。だがこれはむしろ良かった、ユニットバスの樹脂の床の汚れを部屋に持ち込まれるよりは。さらに旦那が愛用の○露丸を忘れて来たことも。

「何で混んでるのかわかったよ。教祖の命日らしい」
そのときはまだ知らなかった彼の父がその人でこの宿の雪隠が終焉の地であったとは。

410文字

イライラする挨拶代わり①の続編です。


たらはかに様のお題に参加しています。

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