噛ませ犬ごはん　②

「外食？」
イレーヌ鎌瀬はルームメイトだ。アパートの契約者は私で、家事もほぼ一人でこなしている。小学校からずっと親友だった。二人で並ぶと小顔な彼女のアイドル並のルックスが際立つ。
「実は男の人に声をかけられたのよ」
心にぞわりと鳥肌が立ち、同時に疑惑の火がつく。もしかして私を引き立て役にするために誘っているの？　そんな反応だと思われるだろうか。少し違う。初めてあの子をみて心に浮かんだのは「自分が彼女だったら良かったのに」ではなく「自分が男だったら良かったのに」だったのよ。だけど生まれ変わったら他の男と戦わなくてはならない。友だちの立場に甘んじる道を選んだ結果がこれだとは。

　レストランに行ってあの子の狙いがわかった。男は二人でルームメイト。一人は高収入もう一人はシェフ並の料理人だ。シェアして生活レベルを向上させるつもりなのね。だけどイレーヌ、あなたは男二人の関係性とこの場の意味が見抜けていない。私たち噛ませ犬なのよ？

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でもまさかイレーヌのお仕事が「あなたは噛みを信じますか」とか「噛む噛む英語教材たったの○10万」だったとは。。

たらはかに様のお題に参加しております。