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fumin_minmin
かも知れない弁天 ②
弁財天と吉祥天女は別人で吉祥寺という寺もその地にはなかったの。人を引きつける駅だった。そうなると誰もが好きになるものを敢えて避けたくなるのが人情でしょう? こっちから願い下げだと言われる前に。親が熱心に勧めた進学先はその周辺だったわ。キャンパスの雰囲気には魅力を感じないわけにいかなかった。もしかして弁財天なの? と疑わせる在学生たち。結局そことは縁が無かったけど。
井の頭公園の池のほとりに弁財天の祠があるでしょ。弁天様あちこちにお住まいがあって羨ましいです。あやかりたい。すると
「柏手はないでしょう、ここはお寺ですから」と声をかけられた。もしや弁天様の引き合わせだろうか? でもその人ときたら吉祥寺とは縁もゆかりもない辺鄙な街の住人だったし延々とドサ周りが続いたのよね。つまり初めてじいじと会ったのがここだったのと話を閉じようとする祖母に近くにいいホームがあるんだと切り出そうとする父。まだ早いかも知れないD.C.
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