「ショートショート王様」④

　創作コンテスト・ショートショート王様杯が開催された。国中のショートショート作家が自作を披露する。朕も列席した。大半は面白いのだが一部意味不明なもの、寒い駄洒落、強引すぎるオチ、不謹慎なネタ、なども混ざっている。一話一話味わっていたが疲れてきた。パンフを屏風に立て陰で弁当をひろげた。大臣にメモを渡される。『早弁しようと王様』
某週刊誌の記者が明日発売号の見出し推敲？　スクープがないから朕を槍玉にする気だな。だんだん眠たくなってきた。ウトウト。大臣が朕をメモでつつく。
『居眠りしようと王様』
やれやれ今度は批判されてエロ記事が出せない某激写誌か。朕は暫し席をはずすぞ。玉座にダミーの人形を置いて立ち去りかける。
『中座しようと王様』が某SNSでトレンド入り？　ええい言い返してやるぞ。
「朕はまだ中座などしていない、しようとしただけだ！」
朕は席を蹴った。すると翌日のタブロイド紙の一面に
『退位か、王子を短期試用と王様（？！）』

410文字

たらはかに様の企画に参加しています。