狂四郎2030読んだ


 ものすごい漫画を読んだ。意気揚々と書き出したもののとりとめのない感想だけで、頭がいっぱいいっぱいになってしまっている!あらすじもかけない!

 正直、最初はギャグが嫌だった。下ネタは下ネタでもなんかガチのやつ。男性器特有のやつや、古い言い回しが故にすごい生々しいやつ。

主人公の狂四郎と志乃の2人は本当に出会うために、何度も何度も、自分の身体、心を犠牲にする。狂四郎は自分が生き抜くために他人を殺め続ける。志乃は倫理が破綻し切った世界で女であるが故、幾度となく身体を差し出し、慰みものにされる。悲しくて悔しいけど、写実的に描かれている。みんな人間のほんとの部分である。

とりまく狂気を性愛に昇華して、闘う!

たったの2コマでお互いの現実の姿を受け入れるシーンがとても好きだ。

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 作者である徳弘正也さんの「ジャングルの王様ターちゃん♡」しか読んだことのない私は何度も悔しがりながら、泣きながら読みました。結末はあっさりしたもので、賛否両論らしい。たしかに世界は救えてないけど、この物語の目的は2人が愛し合うことなのだから、そう考えると救えなかったことなんかちっとも大したことじゃないと思う。2人の世界。

人類の欲望の果て、血統主義、管理社会。現代と近からず遠からずな世界があって、笑えないところもたくさんある。人間の本能的な姿がたくさん描かれている。それらしい理を振りかざして、向かう場所は破滅。

しばらくは読み返せないけど、また読んでしまうと思う。漫画における良し悪しは分からないけれど、自分の中の名作である。





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