スプーンも柴犬。

ご飯を食べながら、いわゆる「オタ芸」と呼ばれる熱狂的なライブの映像を観て。

サイリウムを振り回しながら、激しい掛け声やダンスをステージで歌うアイドルに捧げる。ダンスとまではいかない人も、一心不乱の情熱的な応援は、ものすごい迫力だ。

サイリウム

ここでふと思う。「どうしてそんなにハマれるのかなあ」と。我を忘れるくらい、絶叫している姿を見ていると、なんでだろうと。

奥さんにそう疑問を投げかけると、「じゃあ、柴犬のライブがあったらどうする？」と言われた。

「フカフカの柴犬が4匹くらいステージに並んでて、自分に向かって尻尾フリフリしてきたらどうする？絶叫するでしょ？」と。

はい、します。まったくそのとおりです。

もし柴犬のライブがあったら、間違いなく柴犬のグッズを持ちこみ、振りまわして応援するだろう。野太い声で「ウオオおお」と叫ぶ自信がある。

握手会ならぬ「撫で会」があったらどうだろう。まちがいなくタイムオーバーして撫でまくる。「はがし」の人にはがされるまで粘るだろう。

奥さんは続けた。
「自分の部屋にポスターとか、人形とか、グッズを並べている人いるでしょ？ウチも一緒だよ？そのスプーンなに？」

ふと、スープを飲んでいるスプーンを見ると柴犬だった。なんてかわいい。

後ろを見れば、2匹。

テーブルにも1匹。

食器棚も。

こんなのごく一部で、リビングには他にも50匹くらいいる。

そうだよね。「推す」ってこういうことだよね。「推し」が目の前にいたら、狂喜乱舞するのも当然だ。
他人の好きなものに、だいぶ理解がひろがった。

突然だけど、ここで犬の数え方について。
「1匹」と「1頭」、どちらが正解？

これは、小型・中型、大型と、大きさで分けているみたい。人間が抱っこできるくらいの大きさは「匹」。それより大きい場合は「頭」と呼ぶとか。