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セピア色の失敗談。

あれは小学6年生のときだった。

ひそかに好きだった女子とあそぶ約束をすることができた。
物心ついてから、女子と2人だけであそぶのは初めてだった。

子供ながらに緊張した。

廃屋のちかくにある公園で待ちあわせをして、自転車で海へむかった。

途中、おなかが空いていたので、街のはずれにある商店でピーナッツサンドを買っていった。

海に到着し、砂浜のはじっこにすわりながら、ピーナッツサンドをもぐもぐとたべた。

当然、緊張で会話もすくない。


「たべる?」


と聞いたら、その子は


「いらない・・・」


と言った。


いまでも思う。


なんかたぶん、あそこはパンとかたべてちゃいけなかったんだろうなあって。

ほら、女の子って男の子よりマセてたよね。

海を見ながらそっとチューとか、
肩にもたれかかるとか、
なんかそういうロマンティックなことを望んでいたんじゃないかなあって。

そりゃ、ひたすら隣でピーナッツサンドもぐもぐされていたら冷めるわな。

「あ!自販機にジュースわすれた!」

しかも、商店の自販機で買ったコーラを、緊張からか取りだしてくるのをわすれるシマツ。

「・・・」

笑ってもくれなかった。

後日、その子が中学生とつきあいはじめたことを、友人から聞いた。

その女子に「同年代は子供だ・・・」と学ばせたのはまちがいなくわたしでしょう。

今でもピーナッツサンドを見つけると、このことを思いだす・・・
ワケでもありませんけど・・・。(小学生のときのはなしだし)



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しばいぬたろう
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