見出し画像

クロアチアの賃貸アパート契約の流れを解説|長期滞在者向け

クロアチアの賃貸アパート契約ってどうやるんだろう?日本と同じ?手続きの流れがよく分からないな。
ここでは、そんな疑問にお答えします。

私たちは物件探しを開始してから引っ越しまで、約2週間で完了させました。
物件探しから契約書締結まではだいたい日本と似ていますが、ここでは私たちが経験した契約の流れをご紹介します。

クロアチアで賃貸物件を契約するまでの流れ

手順1.物件探し

まずはNjuškaloや不動産サイト、facebookグループを活用して物件を探します。
部屋探しの詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。

手順2.内見の予約をとる

気になる物件を見つけたら、内見をしに行きます。内見時、不動産会社の場合は車で連れて行ってくれることもあるようですが、だいたいは現地集合です。

日本ではオンライン内見などもありますが、特に海外の場合は必ず実際に見に行った方がいいです。というのも、「下水道の匂いがする」とか「外がうるさい」「シャワーの水圧が弱い」「虫がよく出る」などは実際に行ってみないと分からないもの。
契約のトラブルなどの処理は日本でやるよりも数倍大変になってくるので、日本で物件探しをするよりも慎重になって探してみましょう。

手順3.内見の際のチェックポイント

書き出すときりがないほどあるのですが、重要なポイントだけご紹介します。

・生活に必要な家具・家電・寝具などは揃っているか
クロアチアの物件は家具や家電などが揃っている物件が多いです。足りないものがあれば入居前に追加してくれるか交渉することができます。
今住んでいる家は掃除機がなかったので追加してもらいました。

・今壊れているところは入居前に修理してもらえるのか
前入居者が退居した直後だと、修理予定だけと修理されていないこともあります。入居前にどこを修理する予定なのか確認しましょう。

・今汚れているところは入居前に掃除してくれるのか
内見時に隅々までチェックするのは難しいですが、床の清掃や壁の汚れなど、目立つところがあればその時に確認しておきましょう。
最初に住んだ家は「これ掃除しました?」てくらい生活感溢れる感じでした。意外と入居前の掃除は日本ほど念入りにされないことが多い印象です。

・光熱費は平均いくらくらいか
光熱費はちょっと複雑な構造になっていて、前の入居者がたくさん使っていると、その分の請求が1年毎や半年毎に精算されて請求される物件もあるようです。2年前の記事になってしまいますが、生活費はこちらの記事をご覧ください。

・管理費も掛かるかどうか
共用部の清掃や修繕費、ゴミ収集費など管理費が掛かる場合があります。

・冬の暖房は付いているか
クロアチアの暖房はエアコンではなく、建物全体に入っているセントラルヒーティングと呼ばれる暖房になります。ヨーロッパの住宅はだいたいこのタイプのようです。逆にセントラルヒーティングがなくエアコンの暖房だけだとかなり寒いです。

・二重窓になっているか
二重窓でないと冬の冷気が入り込み、非常に寒いです。また、二重窓は防音効果もあります。

・網戸は付いているか
正直付いていないことの方が多いので、付いていないものだと思った方がいいです笑。ただザグレブは蜂や蚊もよく飛んでいるので、低い階数の部屋だと虫が入ってくる可能性も。

・wifiは付いているか
ない場合は別途契約する必要がありますが、wifiの契約にはIDカードが必要なことが多く、IDカード取得にはビザが必要と、ビザ取得者でないと契約は困難です。大家さん名義で契約してもらえるように交渉しましょう。

手順4.物件の確保

部屋が気に入ったら、契約したい旨を伝えます。
私たちが契約した物件にはありませんでしたが、入居日までの部屋の確保料金を取られる場合もあります。

手順5.契約書の作成

契約書は大家さん(または不動産会社)が用意してくれます。私の物件ではクロアチア語版とそれを英語翻訳した版を用意されました。賃料の支払い期日や保証金のこと、解約時の手続きなど、契約書の内容はだいたい日本の契約書と同じです。

手順6.前家賃と保証金の支払い

契約書の内容ができたら、次に前家賃と保証金を大家さんに振り込みます。
※私たちの場合はどちらも1ヶ月分でした。

手順7.契約

日本の賃貸契約書はお互いに直筆のサインをして完了ですが、クロアチアの賃貸契約書は公証人による公証が行われる必要があります。

契約書が出来たら、大家さんと一緒に公証人のいるオフィスに行き、その時に直筆でサインをします。
これは入居日当日に行われることが多いです。午前中に公証役場へ行き、その後すぐに鍵をもらって午後に入居というイメージです。

私たちが行ったのはイェラチッチ広場の近くの公証人オフィス

私たちは不動産会社を通したので、不動産会社の担当者も同席しました。
公証には情報確認のため、私たちのパスポートとOIB※の原本、IDカード(持っていれば)を提出し、内容に誤りがないか確認されました。

※OIBとは…個人を管理する番号のことで、日本でいうマイナンバーをイメージするといいかと思います。ビザの申請や銀行振込をする時なども必要になるので、クロアチアに長期滞在する人はOIBの登録をしておく必要があります。

OIBの取り方はこちらの記事で紹介しています。
https://note.com/shibaiju/n/n5d339897a238

契約書の公証料金は借主は約2,000円でした。この費用は大家さんが全額負担してくれる場合もあるようです。
公証人による公証印が契約書の一番最後のページに追加されますので、それで契約締結となります。

公証印が押された契約書

手順8.鍵の受け渡し

契約書の手続きが終わったら、そのまま全員で入居物件に向かいます。
部屋の中を一緒に確認し、電化製品の使い方や物品が置いてある場所などを教えてもらいます。

不動産会社の人は入居時の部屋の状態をチェック(写真撮影して保存)し、電気・ガス・水道のメーターの数値を記録していました。退居時にもめないように、念のため私たちでも気になる箇所は写真を撮って保存しています。

部屋の確認が終わったら大家さんから鍵をもらい、入居スタートです。

家賃交渉はできるか

日本と同じく、クロアチアでも交渉することができます。
ただし極端に安い価格を提示すると印象もあまり良くないですし、断られる恐れもありますので、ほどほどにです。
最初の家は100€、今の家は50€下げていただきました。

入居審査はあるのか

私たちの場合、収入証明の提示を求められたことは一度もなく、日本のような入居審査はありませんでした。
私たちは応募の段階でデジタルノマドビザでクロアチアに滞在する旨を伝えてありました。「デジタルノマドビザ取得=毎月一定の収入がある」ということなので、特に審査はなかったのかもしれません。

法人名義で契約したい場合

稀なケースだと思いますが、ご自身で会社を経営していて賃料の一部を経費にしたい方の場合です。
法人名義で契約書を交わすことはもちろん可能です。ただし、その場合はクロアチアの法定通訳人により翻訳された登記簿謄本が必要になります。

日本から登記簿謄本を持参し、契約前に予め翻訳をしていないといけないため、手間と時間が掛かります。翻訳された登記簿謄本がない場合は、個人名義での契約となりますので注意が必要です。

大家さんとの連絡方法

契約後に、大家さんと連絡先を交換します。
クロアチアの人はWhatsAppを使っている人が多いので、予めアプリをインストールして設定しておくといいでしょう。
私たちの大家さんもWhatsAppを使われていたので、連絡先を交換しました。今後何かあった時はWhatsAppで連絡を取り合うようになります。

設備トラブル

住んでいると何かと壊れるっていうことがよくあるのが海外の家です。
キッチンの排水管の水漏れ、ブラインドの故障、電気スイッチの故障、セントラルヒーティングが稼働しない問題が今までありましたが、いずれの費用も大家さん負担で対応してもらいました。
家の設備に何かトラブルがないかも、入居時すぐにチェックした方が良さそうです。

まとめ

以上がクロアチアの賃貸アパートの契約までの流れでした。
全てが初めてのことばかりで、しかも慣れない英語とクロアチア語が入り交ざる中での契約はなかなか骨の折れる作業でした。

クロアチアでは外国人という立場なので物件はなかなか見つからないかなと心配していたのですが、思っていたよりも候補物件はたくさん見つかりましたし、英語のできる大家さんも多く、そこまでハードルは高くないのかなというのが感想でした。




いいなと思ったら応援しよう!