王道少年マンガと、王道少女マンガ、視点を変えるだけで味が変わる「修羅の刻」
【私を構成する5つ(どころじゃない)マンガ】
一冊目 『聖☆おにいさん』
二冊目 『テルマエ・ロマエ』
三冊目 『ダンジョン飯』
四冊目 『スカイハイ』
5冊目は、我が青春……『修羅の刻』
修羅の刻のココが好き!
少年漫画雑誌に掲載されている熱いバトルマンガでありながら、少女マンガのような恋愛要素もある、一粒で二度おいしいところ
繰り出す技がめちゃくちゃカッコいいバトルマンガ
「修羅の刻」のメインテーマは格闘技戦です。
1000年不敗を誇る素手の格闘術「陸奥圓明流」の使い手が各時代の「つわもの」と戦う格闘×歴史漫画!
作者はもともとバトルマンガを長年描いているので、格闘マンガのベテランとして名が挙がることも多くあります。
バトルにおいて技の「見せ方」や「演出」が魅力的で、マンガでありながら実際の格闘技の試合を観戦しているような一撃の重みを感じます。
特に足技!! 足技がいいんですよ!!
スタイル良くて足の長いイケメンが繰り出す一撃必殺の回転蹴り……!
バトルマンガでカッコいい技を見ると、「こういう技を自分も出したい」「アニメで見たい」と想像することはよくありますが、「こういう技を喰らいたい」「実写で見たい」とまで思うのはこのマンガぐらいです。
歴史ものとしても面白い!
歴史ものの醍醐味は、史実では謎とされている部分を、いかに説得力を持たせて穴を埋めるかということですが、これもまた見事に埋まっています。
なぜ、突然死んだのか→陸奥と戦ったから。
なぜ、この状況で生き残れたのか→陸奥が助けたから。
というように、歴史の隙間を「陸奥」が巧みにつなげているのです。
個人的には、3巻にある沖田総司の「猫を斬ろうとして庭に出て死んだ」という 広く知られている逸話を、「陸奥と戦おうとして庭に出た」と改変したのは、
「沖田総司は最後まで武人でいようとした」と創作の中で名誉を守ったって感じで……! もうこれが……これが史実でいい!!
しかもこの時のバトルシーンの美しさも……屈指の名シーンだから、皆読んで……。
単なる「俺TUEEE」ではない
陸奥が代々に渡って受け継ぐ流派「陸奥圓明流」は千年間無敗を誇る格闘技です。当然負けることはありません。
どんなに強いと言われる歴史上人物にも最後には必ず勝ってしまうので、「偉人に対して失礼ではないか」と思う人もいるでしょう。
でもむしろ陸奥が無敵だからこそ、歴史上人物に対しての敬意と愛をヒシヒシと感じるんですよ!
歴代陸奥の強さは、もはや人ではなく「鬼神」や「化け物」と言われるようなレベルです。
そんな相手に人外の化け物挑む姿こそ、少年バトル漫画の王道ではないでしょうか。
「修羅の刻」の主人公は各時代の「陸奥」ですが、視点はどこか歴史上人物の方に寄っているといえます。
陸奥と戦うために、修行し、技を磨き、戦場を生き抜き、最後にようやく追いついたと喜びながら戦う姿は、まさに歴史に刻まれた武勇伝の通りです。
つまり武人である歴史上人物を惹きたてるために、陸奥は誰も勝てない最強の存在でなくてはならないんですよ!
これはまさに、「修羅の刻」でしか描けない歴史上人物の表現で、クライマックスのバトルシーンは、作者のバトル表現技術との相乗効果で毎回感嘆の一言です。
ヒロイン視点で読んでみると、まるで少女マンガ
「修羅の刻」は、普段少年マンガやバトルマンガを読まない人にもおススメできるポイントがあります。
むしろ、普段は少女マンガの恋愛ものばかり読んでいるという人に、是非おオススメします。
「修羅の刻」は、陸奥圓明流を先祖代々引き継ぐ物語です。
だから主人公は、強い武人と戦って陸奥圓明流の強さを証明するという使命の他に、お嫁さんを貰って子供を産んで技を継承させるという使命もあります。
よって、毎回ヒロインが登場して、「陸奥」と恋をします。
命を狙われている所を助けてもらったり、護衛に雇われたり、最初は憎らしい相手だったのがだんだんと惹かれていったりと、各時代の陸奥と出会って、旅について行きます。
ハッキリと嫁になりましたという描写があるヒロインは少ないですが、十中八九は嫁になるだろうなと思えます。
陸奥たちは強いし、イケメンなので女にモテそうなのですが、そういった描写はあまりありません。
というよりは、バトル脳なので女にあまり興味はなさそうです。
けれどヒロインがピンチになったり襲われそうになると、焦ったり激怒したりします。
あるいは他の女には言わないのに、ヒロインにだけは「綺麗」と言ったり、あからさまなスキンシップを求めたりするようなこともあります。
ヒロイン目線で読むと、少女マンガに負けず劣らずドキドキする恋愛模様を楽しめます。
「ドキドキ」したい人向けの最強のマンガ
「バトルもの」としても手に汗を握る「ドキドキ」
「恋愛もの」としても運命の相手と出会う「ドキドキ」
そして「歴史もの」としても、歴史の謎に迫る「ドキドキ」があります
「修羅の刻」はもちろんフィクションですが、いつの時代でも、人はこうしてドキドキする熱に動かされて生きていたのは「史実」だよなと熱いものを感じる作品です。
【私を構成する5つ(どころじゃない)マンガ】
一冊目 『聖☆おにいさん』
二冊目 『テルマエ・ロマエ』
三冊目 『ダンジョン飯』
四冊目 『スカイハイ』
ちなみにですね、修羅の刻好きすぎて二次創作にまで手を出してまして……
そして5月18日~31日までの【テキレボEX】というオンラインイベントにも出品していまして……。
よかったらご一読を……