今からでも間に合う!(いや、間に合わせる)Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成金申請のハウツー3/3 (申請書執筆編)
1月13日〆切、助成金上限2,000万円の助成金事業、Tokyo Tokyo FESTIVAL に募集するにあたっての募集概要をわかりやすくまとめました。長くなったので前、中、後編に分けてます。この文章はその後編、申請書執筆編です。
ただ、思ったより長くなってしまったので、後編は明日1/6に投稿することにします。まえはこちら↓
〇 TokyoTokyoFESTIVAL助成金申請のハウツー1/3(公募ガイドライン精読篇)
〇 TokyoTokyoFESTIVAL助成金申請のハウツー2/3(採択事例分析)
この記事を閲覧している皆様こんにちは。しばいいぬです。
このアカウントは2020年に入り活動を開始したばかりのひよっこでして、まだtwitterのフォロワーも8人(1月日時点)しかいません。
一昨日からこのシリーズ、少しだけ閲覧が伸びまして、今閲覧数が10回となっています。ありがとうございます!たったの3人でした。自分でも驚きです。
その10人に言いたいことがあります。
この出会いは運命です
Tokyo Tokyo FESTIVALに
絶対に募集して下さい
この助成金は、2020年の4月1日から9月6日までで、都内で実施される企画に対して募集されています。この記事を読んで、自分が企画している作品がこの助成金に紐付けられないか、考えてみて下さい。
今回はいよいよ申請書の執筆編です。
申請書の一般的な書き方については別記事にかければなと思っていますが、今回は、〆切ももう幾ばくも無いので、この助成金に対する話をしたいと思います。
Tokyo Tokyo FESTIVALのウェブサイト
皆さんはこのシリーズを1からみてくださってると思いますが、もしここから読み始めた方は、まずは下のWEBにアクセスし、公募ガイドラインのpdfをダウンロードして、それを開きながら見てください。
2020年度 Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成募集要項
〇基本的な考え方
助成金を申請するにあたり、基本的な考え方は以下の通りです。(ここはfringeさんを参考にしました。ありがとうございます。)
1.選ぶ側の視点に立てるかどうか
選ぶ側にも説明責任がある。そのため、採択ポイントなどが簡潔で、そのまま抜き出して説明できるような文にする。
申請書を落とした場合、理由を第三者に説明出来ないと思わせること。
このシリーズのその①の最後に書いたヒントも、同じことを言っています。
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申請書はあなた自身がどれだけ深い考えを持ってるのかを書くのではなく、相手の立場に立って、助成しない理由がないと思わせるように書いて下さい
基本的に助成側は、申請書の文章だけで助成を行うか否かを判断します。また、非常に多くの申請がなされるため1枚の申請書に対してかける時間は非常に短いと思われます。なので、極力わかりやすく、一回で何がやりたいのか、何がポイントなのかをわかる形で書く必要があると思います。
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2.自分にとってだけ良いのではなく、「4方よし」となるような客観的な理由を明記する
劇団だけにメリットがある内容では採択されない。
まず観客、そして観客を取り巻く社会、助成側、そして主催者の全員にメリットがある提案とし、その点を具体的に説明する
3.できる限りデータを用いて語ること。
抽象的な言葉は何も言っていないに等しい。
動員実績やアンケート結果など、主催者ならわかる具体的なデータはなるべく利用する。そのときデータはただ使うのではなく、データに内容を語らせるべく恣意的に用いること。
4.ストーリーを語ること
内容を羅列するだけでは企画の一貫性を説明できない。取ってつけた配慮と思われないためにはストーリーが必要である。
「A.だからB.」のように順接の接続詞でつながるように文章を構成する。
つまり、ストーリーとは、以下のような流れになるはずである。
i. 公演においてAAAA(演出的な内容)を実施する。
ii.そうすることで、BBBB(社会的波及効果)に効果的であると考える。
iii.これを実施するために、CCCCという予算が必要だ。
iv.だから、助成金に応募しました。
ここで、AAAAがコアコンセプトであり、BBBBが採択ポイントである。
AAAAとBBBBは申請書に文章で記載し、CCCCは収支予算書に記載する。
〇絶対に忘れてはいけない基本的なこと
① 〆切を間違えずに出す
② 応募先を間違えずに出す
③ 提出資料をすべて出す
重要なのはこの3点です。出さないと必ず落ちます。
受かるには出さないといけません(対偶)
① 〆切を間違えずに出す
公募ガイドラインのp.11に載っています。消印有効はうれしいですね。
〆切 :2020年1月13日(月・祝) 消印有効
② 応募先を間違えずに出す
提出先:〒102-0073
東京都千代田区九段北4-1-28 九段ファーストプレイス 8F
アーツカウンシル東京企画室 オリンピック・パラリンピック文化戦略担当
② 提出資料をすべて出す
公募ガイドラインのp.10に提出資料が載っています。以下一覧にします。
A.以下の3つのデータを、紙媒体とWord, Excel形式でCDに焼き、提出。
(1) 助成金交付申請書 (Word)
(2) 収支予算書 (Excel)
(3) 申請団体調書 (Word)
B.暴力団などに該当しないことなどの「誓約書」(紙で提出。)
C.申請団体に関する資料(紙で提出。)
(1)定款またはそれに類する規約、会則
(2)法人格を有する場合は前年度の財務諸表。
任意団体の場合は前年度の収支決算書。
D.申請活動に関する資料
(1)企画書(A4. 既存のものでも可)
企画書には、実施プログラム内容、運営体制、
広報計画及びTokyo Tokyo FESTIVALの周知プランも含むこと
(2)上記企画書のデータ(CD媒体に保存し提出)
(3)補足資料(活動内容に関する資料がある場合)
なにがCDも必要で、なにが紙だけの提出なのかに注意してください。
〇企画の魅力を伝えるためにやること
以下の3ポイントを考慮して書くといいと思います。
① 自分の企画のコアコンセプトを20文字以内にまとめる。
コアコンセプトを短くするとはつまり、コアコンセプトを聞いただけで何をやるのかを具体的に頭に思い浮かべられるようにするということです。
KUNIOのグリークスの場合は「10時間のギリシア悲劇」ですし、
学生団体おりがみの場合は「街中で、市民と外国人とで行う盆踊り」です。
企画側のメリット:自分たちが何をやるかを明瞭に伝え、
スタッフ集めなどに利用できる
助成側のメリット:この企画が何をするものかを明瞭に理解できる
② 採択ポイントからみて、企画のコアコンセプトがどういう点で
評価できるか/何を付け加えればより効果的になるかを考え、
箇条書きにする。(なるべく多く。)
コアコンセプトが決まっても直ちに文章にはまとめられません。字数制限がある申請書の場合、その文字数の中でどれだけ自分の企画のメリットを詰め込めるかが採択されるかのカギになります。
そのためいきなり書いてみても大抵の場合薄い文章になってしまうと思います。なのでまずは箇条書きで自分の企画のメリットを列挙してください。
そして、それをすべて字数制限のうちに詰め込んでください。
③ コアコンセプトをちゃんと実施できるような予算書にする。
具体的には、そのための予算をしっかり計上する。
助成側は以下のように考えています。つまり、
通常通りの規模の公演では達成できない何かがあり、それを支援してほしいから助成金に応募するのだ、と。
ということは、予算書にも通常通りの企画にはない箇所が存在するはずです。ある部門の予算が多いのか、あるいはそれ専用の予算が組まれているのか、それは企画ごとに異なると思いますが、ともかく企画のコアコンセプトは予算書にまで通底している必要があります。
助成側としては、助成した企画は、助成した以上しっかりと目標を達成してほしいと考えていますので、予算書についてもしっかりと目を通し、現実的な予算配分かどうかをチェックするはずです。
予算書は言葉を尽くせないためついつい見落としがちですが、ここに至るまでしっかりとコアコンセプトを忘れずに書いてみてください。
記事としては以上です。思ったよりしっかり描いてしまいましたが、皆さんの未来に役立ち、ひいては世界の演劇全体に利することを期待します。
(参考資料)演劇助成金についての記事の古典として、まずはfringeさんの下の記事を読んでほしいです。
(参考)fringe 「助成金に採択される可能性を高める申請書の書き方」
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したっけ。
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