「騙されてますよ!!」2021年9月12日の日記
・眠いので短めにするぞ。
・先ほど書く仕事を終えて引き継いだ。わたしの書きし原稿は次なる作り手へ......。
・文章を書き上げたあと、例えばそれが社内の報告書であれ、お客様向けの説明文書であれ、学生のレポートであれ、たいていの場合は見直し、つまり推敲を行う。
・ただ誤字脱字を発見したり、てにをはを直すだけでなく、文章全体を見直して、論理が破綻しているところ(冒頭の問いかけに対して結論がつながっていない等)が無いかだとか、まどろっこしく感じるところは無いだろうかなどと文章を見直す。
・この推敲、あるいは見直しに、即効性があり効果も高い方法がある。
・それは、文章の形を物理的に変えるということである。
・横書きで書いた文章ならば、そのままワードを縦書き表示にする。そして例えば明朝体で書いた文章ならばゴシック体にしてみる。メイリオで書いた文章なら教科書体にしてみるなど、とにかく文章を読む体裁を、書いていたときから変えてみる。
・推敲、見直しは、自分の文章をまるで他人が書いた文章かのように見直さなくてはいけない。期限がまだ先ならば、今日の深夜に書いた文章を明日のお昼に改めて見直すということもできる。しかし急ぎの場合ならば、すぐに「まるで他人が書いた文章かのように」自分の目をだます必要がある。
・この縦書き横書きの切り替えとフォントの切り替えの組み合わせは効果的だ。
・出てくる出てくる。自分の文章の弱いところ。このつらさと向き合ってこそライターなのである......。
・午前中は東京都美術館のアート・コミュニケータとしてのあるラボ(アート・コミュニケータの活動の単位)のミーティングをしていた。
・朝の8時から9時半。わたしにとっては早朝であるが、小さいお子さんを持つパパママが多いこのラボでは、これくらいの時間がちょうどいいのだ。
・その後午後は2時間ほど、アート・コミュニケータが選択して受ける講義を受けていた。
・今日の講義の内容はこれだ。(下記の講義名までは東京都美術館HPから誰でも見ることができる)
・主に高齢化や、定年退職などをきっかけに、職場やサークルといった社会のコミュニティから外れてしまい、孤立、孤独化してしまっている人々(そしてこれを当事者が悩みとして抱えている人々)に対する取り組みについて、ガンの専門家でもあり、一般社団法人プラスケアの代表でもある西智弘先生に講義いただいた。
・講義の内容について、都美館の公式HPに載っていること以上に書くことは控えるが、感想だけ書こう。以下の内容は講義で取り上げた事例では無く、わたしが講義後に思った感想です。
・この感染症下において、人々の孤立化、孤独化は確実に進んでいる。
・ただ単に大人数での外出や密になるイベントができなくなったという”さびしさ”だけではない。
・さらに悪い方向。エコーチェンバー現象というが、自分と直接つながりを持つ人々の相関図が限定的、さらに固定化されたことにより、例えば地元に残してきた両親が、別の地で生活する子どもの知らない間に、極端な思想に染まってしまったり、信じられないような詐欺に引っかかってしまったという被害が現実に増えている。(先日の日記でわたしもこの事例のweb記事を取り上げた)
・滅多に帰ってこない子どもがLINEやメールで言う「だまされてるよ!」という忠告よりも、地元で日常的に直接言葉を交わす顔見知り(極端な思想や悪いセールスに巻き込む人)の言うことを信頼してしまうという背景があるのだ。
・わたしの両親や身内に限って言えば、幸いまだそうした被害は出ていない。しかし、この現象は「ウチの人はそういう詐欺は真っ先に疑う性格だから大丈夫」という安心感は通用しない。学歴や職業も関係ない。
・だれだって、孤立、孤独化した先に残ったわずかな信頼をおける相手の言うことならば信じてしまう、だまされてしまう可能性がある。
・こうした被害だけで無く、単に孤立・孤独化が進むと、自殺率が上がったり、不安感から体調を崩し救急を呼ぶなど(ただし病院で診察しても気持ちが原因なので身体に異常は見られない)、社会にかかる医療コストも増加する。問題は次々と起こってしまう。
・だが、孤立・孤独化を防ぐにはどうしたらよいかという答えはなかなか今のわたしには出ない。
・例えば実家の両親の事を考えてみよう。東京で働くわたし。地元静岡で住む両親という物理的な距離がある。働きざかりの20代というわたしの考え方と、定年退職している両親の考え方という年齢的(時間的)距離がある。
・身内ですら次元の異なる距離感が壁として立ち塞がっている。まして顔を知らない他人の孤立・孤独化を解消するとなれば、である。
・外国にルーツをもつ方であるなら言葉の距離感、文化の距離感もある。
・わたしは今この問題を、フックにアートを用いて何かできないかと考えているところだ。
・孤立・孤独化している人を無理に社会に連れ出すことがゴールではない。社会的行方不明者を作らないことが、今後数十年にわたって課題になっていくと思う。
・なげ~~~~~~~日記になっちゃった。
・寝ましょう。
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