「手と手とて」2021年6月28日の日記
・今日は朝に1時間半くらいだけ仕事をして、お昼前に上野の東京都美術館(都美館)へ向かった。
・今日は東京都美術館で、現在開催中の「イサム・ノグチ展」での「障害のある方のための特別鑑賞会」が開かれた。
・障害手帳をお持ちの方とその介助者の方のみが事前予約制でゆったり鑑賞できるというのがこの特別鑑賞会。
・わたしが今年の4月に都美館のアート・コミュニケータになってから、初めて都美館現地での活動デビューになる。
・わたしたちの仕事は、事前に決められた5人前後のチームで、事前に割り当てられた美術館内の場所のガイドやお手伝いをすること。
・わたしたちのチームは午後の担当で、1時間ごとに2ヵ所、計2時間の仕事を担当した。
・後半の1時間は展覧会入口で車椅子の貸し出しを行う仕事だったけれど、前半の1時間は展覧会場内を担当した。
・普段、わたしが美術館でする体験は、自分と作品が1:1で向き合って、「作品を鑑賞する」という体験だけれど、今回の「作品を鑑賞する人を見る」という体験もとても豊かだった。
・今回来場いただいたお客さんたちの中に、自分とほとんど同い年くらいの男女のペアがいた。
・カップルなのか友達なのかはわからないけれど、その2人がイサム・ノグチの彫刻作品を前に、お互いに手話をしてニコニコとコミュニケーションを取っているのを目にして、なぜかわからないけれどとても感動した。
・この2人の間で行われている情報伝達は、わたしたちが普段声で行っているものとあまり変わりないと思うのだけど、それが手話でニコニコなされていたというだけでとても感動した。
・これは単に自分の色眼鏡なのか、と、この感動した自分の心の動き方に嫌悪感持つ瞬間がないこともなかったけれど、でもやはりこの感動は単に物珍しい手話のコミュニケーションを見て心が動いたのではなく、芸術の鑑賞とそこから生まれる対話について、今の自分のレベルでは正確に言語化できない感情が動いたものだと思う。
・アート・コミュニケータたちは、この夏から秋にかけて、隔週くらいのペースで実践講座というものを受ける時期に入る。分野が3つに分かれていて、それぞれ「鑑賞」「アクセス」「建築」の3つ。
・3年間の任期の中で毎年1つ以上受けることができて、わたしは今年は鑑賞とアクセスの実践講座を選択している。
(詳細は下記リンク先の下の方)
・この3つの中の「アクセス」は、障がいのある方のための鑑賞体験をテーマにしているので、これから実践講座を受けるにあたって、今日の体験で思ったことを一つ勉強の材料にストックしておきたいと思う。
・4時ごろに鑑賞会が終わった後、わたしは美術館近くにある韻松亭に行った。
・横山大観がオーナーだったこともある歴史ある和食屋さんで、この時間帯は甘味を提供している。同じくアート・コミュニケータの方からあんみつが美味しいということでおすすめされたので来てみた。
・とても雰囲気が良いお店で、これまで入店時にあるアルコールで消毒はほとんどのお店で導入されていたけれど、ここではミストで全身消毒するすごい機械が導入されていた。
・注文したのは抹茶と麹饅頭のセットです。
・おすすめされたのはあんみつだけれど...わたしはおやつに豆を食うのがあんまり好きではなかったので...。
・多分複数人で来ていればみんなに合わせてあんみつを食べていたけれど、1人だったからね。
・美味しい...。上野には学生時代から何度も来ていたけれど、この韻松亭がある方向には足を延ばしていなかったので今日の今日まで知らなかった。これからは上野に来るたびにおやつを食べに来よう...。
・いつか普通の和食も食べに行ってみたい。
・こんな雰囲気です。
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