黒柴の来歴 その9

そして、管理職へ

「その8」で述べたシステム開発は、結局のところ最後までというかリリースまで携わることはなかった
「その7」に書いたが、当時の会社はやたら新卒、中途(といっても経験者ではなく、第二新卒的な未経験)の採用を増やしており、結果として組織が急速に肥大化して、管理職が不足していた
なにしろ一つのグループ(一般的な課)に所属する社員が40~50名ほどいるため、グループのマネージャといっても稼働管理(勤怠時間の確認や休暇の承認など)をやることで精一杯で、キャリアデザインの面接などは行える状態ではなかった

そんな状態なので、とりあえず稼働管理とプロジェクトの経費管理ができそうな中堅をグループのマネージャに抜擢して、グループ数を増やすことでなんとか対応しようとしていた中、自分もグループのマネージャや、そのうえのセクションのマネージャ(いわいる部長)の目に留まったのか、グループのマネージャになることを打診された

このときは、システム開発の中核だったことと、エンジニアにありがちな「管理職になるよりも、現場作業に携わりたい」という思いから、一旦は打診を断っている
ただ、自分がマネージャになった場合、現在携わっているシステム開発は、引き続き自分のグループで面倒を見ることになるが、自分がマネージャにならない場合は、他の部署から昇格したマネージャがそのシステム開発の面倒を見ることになるとボスからは伝えられた
まあ、マネージャにも当たりはずれがあるし、まったくこのシステムを知らない人が落下傘的にマネージャになるよりは、自分が昇格した方がこのシステム開発としてはいいのかもしれないと考えて、結局マネージャになることを受け入れることにした

これ以降はしばらく管理系の仕事(プロジェクトの管理マスタをやりくりして利益を管理する)ばかりに終始して、システム開発についてはほとんど手を出せていなかった
エンジニアとしては、面白くない日々を送ることになるが、それでもこのマネジメントという仕事は、自分の意識を変えるには多少なりとも役に立ったと思う
特に、お金の面(見積もりをどのように作成し、稼働や経費をどのように管理し、売り上げを上げて、利益にどのように結びつけるか)を意識できるようになったのは、良かったと思う

ソフトウェアエンジニアとしてのキャリパスは、いろいろと考えられると思う
マネジメントやコンサルなど、いわゆるエンジニア以外の道に進む場合では当然必要なスキルとなる
また、ソフトウェアの設計・製造を行うエンジニアを続けていく場合でも、「どのように売り上げを上げて、利益に結びつけて、自分の収入を以下に増やすのか」ということを意識しておくことは、自分自身が単なるIT土方として使い潰されないためにも必要だと思う

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