黒柴の来歴 その1
ITエンジニアとしてのスタート
自分は、理系(化学)の大学を卒業して、最初に就職した会社は従業員数100名程度の製造業で、そこで生産技術管理課に配属されて、品質管理や新技術導入の実証実験が主な仕事だった
しかし、入社して3年目くらいに会社の業績が傾いて、新技術導入はほとんどなくなり、品質管理にそれほどの人数をアサインする必要もなく、新人の自分は製造現場に異動となった
半年くらい製造現場での作業を行ったが、自分が思っていたのと違うなと思い、転職を決意する
そのとき、まだ大学の研究室に出入りしていたので、先生に転職について相談をした
結果は、あまり芳しいものではなく、基本的に院卒でもなければ、純粋な研究開発に携われることはほとんどなく、研究室の卒業生も製造現場での品質管理や、セールスエンジニアになることがほとんどであると・・・
そんな話もあり、化学系の業界で転職先を探すのは諦めて、まったく別の業界にチャレンジしてみることにした
当時のIT産業というのは、まだ大学で専門の学科などもほとんどなく、情報工学を修めましたという大卒は少なかった
その割にはプロジェクト管理などエンジニア工学が立ち上がっていないこともあり、開発現場の作業は人海戦術に依存するような状態で、とりあえず「プログラミングができます」レベルのエンジニアでも引く手あまたであった
そんな状況もあり、当時の転職雑誌を開くと「未経験者でも大丈夫」的なソフトハウスの求人は山のようにあり、なんとかその中の1社に潜り込むことができた
そこから、自分のITエンジニアとしての人生が始まる
なぜ、ITエンジニアだったのか?
高校のときに、友人がポケコンを持っていて、それを借りてBASIC(Visualではない)によるプログラミングを教えてもらった
そのころから、「これ(プログラミング)は、おもしろいなぁ」と思っていた
大学では電算機の選択授業もあったが、FORTRANによる記述計算の初歩の初歩という感じで、あまり興味をひくことなく、ほとんどプログラミングとは無縁の学生生活であった
しかし、化学系では見通しが暗いなと考えて、自分の中では「すごいもの」というイメージがあった「コンピュータ」「プログラミング」というものに携われば、将来は明るいかなぁという認識だった
はじめてのC
転職時期の関係で、新卒と同時期に入社して研修を受けることになっため、入社まで1ヵ月ほどの隙間があり、その期間を転職先の会社が実施している「入社前研修」というアルバイトに参加した
これは、COBOLを覚える研修で、ようやくプログラミングの世界に足を踏み入れた感じがした
入社後、入社前研修でCOBOLをある程度理解した者は、COBOLの研修ではなくC言語の研修を行うことになった
これは、当時の会社が「情報系」(IBM互換機+COBOLで開発する金融系などのシステム)と「通信系」(UNIX+C言語、またはアセンブラで開発する通信機器の制御システム)の2本立てでビジネスを行っており、より「通信系」に力を入れたいと思っていたため、とりあえずCOBOLが理解できているならC言語も行けるだろうという感じだったと思う
ただ、C言語を知っている人ならわかると思うが、「アドレス」、「ポインタ」の概念が理解できないと、C言語で書かれたものを理解することができない
当時、ハイスキルなプログラマの書いたプログラムは、当時のロースペックなコンピュータで「より速く動く」「より小さい」プログラムを目指し、この辺りのテクニックが多数盛り込まれていた
そのため、「アドレス」、「ポインタ」が理解できないと、そういうプログラムを読んで、何が行われているのかを把握するのにも、一苦労だった
とりあえず3ヵ月くらいの新人研修を経たのち、「通信系」の事業部に配属になった
ここで、ようやく肩書上は「ITエンジニア」(見習い?)になった
#小見出しの 「はじめてのC」は、研修時の教本の題名で電車の中で読むのは、ちと勇気がいるw
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