黒柴の来歴 その14

さらば、ブラック企業

退職を決意したことを、新たに黒柴の上司となったセクションマネージャに伝えた
このセクションマネージャは、実は異動前のセクションマネージャであり、とにかく責任感がないというか、自分で何かを考えたり、決めるということができない人だった
そのため、周りから流されるままに、トラブルプロジェクトでマネージャが退職したグループのマネージャとして黒柴を異動させたり、セクションマネージャの退職で、このトラブルプロジェクトが自分の管理下に回ってきたにも関わらず、客先対応は前回書いた役員に丸投げしたりする人だった

面接した際に退職理由として、「全く先が見えない状況に疲れたし、COBOLのスキルがない自分は現場で全くのお荷物状態で、プライドもズタズタだ」と告げると、特に引き留めることもなく、また再面接もなかった
その後、客先に無条件降伏した役員とも面接したが、同じ退職理由を告げたところ、役員からは「だから適材適所にならない異動はさせるなと注意したんだけどなぁ」という言葉をもらった
適材適所にならないこと(黒柴はCOBOLの開発経験がないため)は、周知の事実だったのだが、異動前のセクションマネージャは深く考えもせず黒柴を異動させたことが退職の一因となっているため、自身の失敗を隠す意味でも後腐れなく退職してもらった方が良かったのだろうなと思う

会社としては、当時はITエンジニアの求人が買い手市場だったこともあり、退職者が増えても新卒、第二新卒を大量に採用して補充ができた
また、新卒、第二新卒を3年目くらいの経験者のエンジニア単価で派遣契約させて利益を出し、ある程度給与が上がり利益率が下がってきたら退職してもらってかまわないというビジネスモデルだったようだ
そんなビジネスモデルのため、毎月のように20~30人前後の退職者が出ているので、グループのマネージャが退職することについても、特別な感じがなかったようである
その後、最終確認という感じで人事課長とも面接をしたが、これも一度だけで、しかもあっさりと終わった

全体的に「是非、考え直してほしい」という感じで引き留められた記憶もなく、当時の自分としては「結構頑張っていたし、それなりに客先から評価もされていた」という自己評価だったのだが、会社の評価としては十把一絡げの社員の一人だったのだなぁと思ったりもした

その後、部下を持たない管理職を3ヶ月ほどやり、自分が過去に手掛けていたプロジェクトを1つお手伝いして、14年ほど勤めた最初のソフトハウスを退職した
2000年の夏前くらいのことだった


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