黒柴の来歴 その16

英会話学校で気付かされたこと その1

当たり前だが、英会話学校に通っているので、英語についてはそれなりに学習でき、かつ成果があった

その15でも書いたように、黒柴の中学、高校の英語の成績は壊滅的で、社会人になってからも英語に対しては苦手意識があった
インターネットが普及していく中で、ITに関する情報はどんどん海外から入ってきたが、当然英語で書かれたドキュメントばかりで、和訳されたものは皆無だった
また、オンライン翻訳のようなサービスもなく、自力で英語を読む必要があったが、苦手なだけに英語のマニュアルを見るだけで嫌な気分になり、読む気が起きなかった

英会話学校に通うにつれ、英語ってそれほど難しいものではないという気持ちが徐々に生まれてきた
講師(もちろん外国人)と会話することも、ポイント(基本5文型、時制、能動・受動、複数形など)を押さえておけば、多少変なことを言っても通じることが分かってきた
思い返してみると、中学、高校の英語は受験に対応するための英語であり、アウトプットは細部まで正確に出す必要があった
それに比べて、英会話学校は初心者コースから始めたこともあり、まずは英語でコミュニケーションがとれるように最低限のことから始めようというカリキュラムで、細部にこだわるより「大枠があっていればとりあえずOK」という進め方が良かった

また、受験向けの英語教育を受けてきたため、「正確に」アウトプットが出せないと恥ずかしいという気持ちがあると思う
その恥ずかしいという気持ちが先行するため、授業では簡単なセンテンスを2つ,3つ講師が説明した後、それを使ったフリーな会話を行うのだが、皆なかなか話し出すことができない
そのような状況を見て、ひとりの講師が、以下のようなことを説明した
「日本においては、大多数が日本人という単一の民族であり、同じような教育を受け、生活をしているので、バックボーンや価値観が皆一緒だと思う
なので、お互いの考えについて『言わなくてもわかるでしょ』とか、『察してください』ということが通用する
しかし、アメリカは他民族国家で、移民も多い
受けた教育や、民族、宗教というバックボーンが異なるため、価値観も大きく異なる
そのため、話しをしてみないと、相手の価値観が分からない
だから、アメリカではたくさん会話して、自分のバックボーンや価値観を伝えることが重要だ
せっかく英語を習っているんだから、些細なことでも良いので、自分の価値観を伝えられるように、もっと会話しようよ」

この話は、黒柴にとっては「目から鱗が落ちる」ポイントの一つだった
黒柴自身も、多少コミュ障なところがあり、初対面の人とはなかなか会話できなかった
確かに、日本には『言わなくてもわかるでしょ』とか、『空気を読む』という文化がある
しかし、仕事をする上では、相手がこちらの価値観を常にポジティブな方向に理解してくれることを期待するというのは、間違っていると思う
また、日本人として同じバックボーンが共有しているとしても、価値観は個人ごとに異なる
そんなこともあり、この話を聞いたあと、割と初対面の人とも話ができるようになった

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