黒柴的パンセ #66

黒柴がこう思う#09

ここでは、過去の体験とは別に、黒柴が何を考えているかを述べていく。

シニアエンジニアの働き方

何回かにわたって「SES企業ってどうなの?」ということについて、黒柴が思っていることを述べてきた。
パンセ#65の最後の方に、「居心地が良くても、成長しない企業はいずれ行き詰まるので、茹でガエルにならないように、離脱する時期を見失わないでください」と書いたつもりだ。
とはいえ、黒柴自身がすっかり茹でガエルになってしまい、自社での定年間近になってきて、転職を考えるような意識も低くなった。
では、こんなシニアエンジニアが、この先どのように働くのか、ということを黒柴なりに考えてみたい。

一兵卒になりきれるのか?

エンジニアのキャリアパスとしてありがちなのは、エンジニアとして設計やプログラミングを行う立場から、チームリーダー、プロジェクトマネージャとしてチームをマネジメントする立場に変わっていくというものだ。
自社では、将来はグループのマネージャを見据えたマネジメント職と、エンジニアとしてテックリードを目指すスペシャリスト職を用意し、どちらのキャリアパスを望むのかを1on1で確認しながら、キャリアデザインを行っている。
しかし、これまたありがちな話なのだが、「自由にプログラム開発を行いたい」、「責任を負いたくない」とほとんどの社員がマネージャを忌避している。
黒柴の周囲にいるシニア社員も、大半がスペシャリストというキャリアパスを選択し、チームの管理という仕事に携わったことが無い。

では、こういう「生涯、エンジニア(というか1作業者)」として働くことは可能なのだろうか?
これは、可能だともいえるし、難しいともいえる。
可能な場合を上げると、派遣会社などに登録して、一人のエンジニアとしてまったく顔見知りのいない環境で働く場合である。
このとき、プロジェクトや、チームの管理者の指示されるとおりに作業をすることになるが、管理者が自分より年齢が若いケースもある。管理者側が年齢を気にしないのであれば、年上のメンバーにもきちんと仕事の割り当てを行うだろうし、また場合によっては厳しい指摘も行うことがあるだろう。シニアのエンジも年齢を気にせず、管理者の指示、指摘に唯々諾々として従うことができるなら、一人のエンジニアとして働くことは難しくない。

しかし、自社で請け負ったプロジェクトにエンジニアとしてアサインされ、自分の後輩がプロジェクトの管理者に任命されている場合は、困難さが生まれてくる。
リーダーである後輩に対して、自分の意見、自分のやり方を押し付けていないか、また後輩が進めたい作業とは別のことを優先的に実施していないか、など、自分を考えを必要以上に引っ込めて、プロジェクトリーダーである後輩がやり易い環境を整えてやる必要があると思う。
これができていないと、良かれと思ってやったことも、後輩からは迷惑に思われて、自身の存在自体を疎まれる原因となる。

実際に黒柴は、プロジェクトリーダーをやっているときに、作業者にこの両者に直面したことがある。
次回は、そのときのことや、どう考えたかを述べていきたい。


いいなと思ったら応援しよう!