黒柴的パンセ #33

黒柴的スポーツ考 #3

「ロードバイク(に乗ること)は、スポーツなのか?」
結論から言うと、黒柴はロードバイクに乗るということは、スポーツだと思っている

ロードバイクは、自転車というカテゴリに属する乗り物の一つであり、自転車に乗れる人であればロードバイクに乗ることは出来る
ただ、ここに大きな勘違いがあると思っている
ロードバイクは、自転車というカテゴリの中でも、長距離(100km以上)を楽に速く走ることに特化している
だから、「自転車に乗ることができる≒ロードバイクに乗ることができる」ではないのだ

黒柴も、ロードバイクに乗り始めたころ、ここに大きな勘違いがあった
自転車に乗れる黒柴は、ロードバイクで走ることはできた
しかし、まったく楽でもなく、長距離を走ることもできなかった

ロードバイクに乗る諸兄ならご存じだろうが、NHKの番組「チャリダー」に出演している竹谷賢二さんは、著書の中でこのように語っている

バイクの総合的なパフォーマンスは「フィジカル×スキル」で決まるのです。
(中略)
きちんとスキルが備わっていれば、多少フィジカルに劣っていても、男性なら平均で時速35km、女性でも時速33kmで巡航することは難しくありません。

ロードバイクの作法 やってはいけない64の教え 竹谷賢二

この「スキル」の方が課題なのだ
竹谷さんがいうように、バイクを含むスポーツ全般において、そのパフォーマンスを抽象化していくと、「フィジカル(肉体の強さ)×スキル(技術の巧みさ)」に分解することができる
この「フィジカル×スキル」の比重は、スポーツによって異なるが、機材を使うスポーツ(例えば、ゴルフ、テニスなど)においては、よりスキルの比重が高くなる
すなわち、「スキル」を向上させれば、多少フィジカルが劣っていても、そのスポーツを楽しむことは可能なのだ

黒柴もロードバイクに乗ることで、もっと長距離をもっと楽に走れるようになりたいと考えて、フィッティングを受けたり、ショップの開催する練習会に参加したり、自宅でローラーに乗ったりと、いろいろなトレーニングをやってきた
結果として、100km以下なら「まあトレーニングライドだな」という感じで走れるようになったし、巡航速度も30km/hを超えるようになってきた
そうなってくると「ロードバイクに乗る」ということも楽しくなってくる
もともと黒柴は、20代から30代のころはオートバイに乗っていて、ぶらっとツーリングに行くのが好きだった
現状は、乗る物がロードバイクに変わっただけで、ぶらっとツーリングに行くことを楽しんでいる

#32でロードバイクを購入した会社の後輩が「トレーニングしてまで、乗る気はない」と語っていることを書いた
だが、ロードバイクのあのポジションは、「速く、楽に、遠くに行く」ことを実現するために、必要な形なのだ
だから、「脚だけでなく全身の筋肉を使ったペダリング(スキル)」と「ポジションを楽にとれるための体幹の筋肉(フィジカル)」を身に着けるためにトレーニングは必要になる

結果的に、ロードバイクを購入した後輩は、何回か乗ったのち、輪行袋に詰めたまま、押し入れの肥やしとなっているらしい
昨今のロードバイクブームで、ロードバイクを購入した人たちの大半も、購入前の想像と違う現実に幻滅して離れていっているだろうと思う

再度言うが、「ロードバイクはスポーツだ、だからトレーニングをすることなしに、ロードバイクの良さを感じることはできない」と思う
だから、やりたいことが異なれば、あえてロードバイクを購入することは無いと思う

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