黒柴の来歴 その7
リハビリ的なサポート業務が終わった後、正式に大規模なプロジェクトに参画することにあった
大手SIerが請け負った官公庁向けの行政処理システムで、クライアント、サーバともにWindows NTで、データベースはSybaseというClient-Serverシステムだった
自分は、システム共通というシステムアーキテクチャも含めた共通化を実施するグループのリーダーとなって、最初の作業は開発ツールの選定だった
当時、Windowsプログラムを開発するために一般的に提供されていたのは、以下の開発ツールとなる
Visual BASIC 4.0
Visual C++ 2.0
Borland Delphi 2.0
このうち、Visual BASICは、画面設計とイベントの関連付けが分かりやすく、初心者にもとっつきやすいと思った
この初心者にもとっつきやすいという評価ポイントは、当時の会社が売り上げを大幅に拡大するために新卒、中途を大量に採用しており、研修が終わった程度の社員に仕事をあてがうために重要だった
だが、SIerから「ユーザの要望を受け入れるために、標準で用意される画面用の部品(ドロップダウンや、チェックボックスなど)の拡張や、新規作成ができること」という条件が提示された
そのため、Visual BASICは、画面部品の作成・拡張ができない(これを行うためには別途Visual C++での開発が必要)ということで、対象外となった
Visual C++は、Borland C++と同様に画面設計とイベント、そしてイベントから呼び出される内部処理の関連付けを行う必要があり、これは画面のイベントということが理解できていれば問題ないのだが、上記したように新人研修が終わったばかりの社員には、少しハードルが高かった
そのため、プログラミング言語としてはPASCALとなってしまい、CやC++のような汎用性を欠くが、当時Visual BASICとVisual C++の「いいとこどり」と言われた、Delphiに決定した
実際のところDelphiは、開発言語がPASCALという点のみが懸念点で、それ以外はメリットしか感じなかった
オブジェクト指向をきちんと理解していれば、標準で用意されている画面の部品を継承して、機能の拡張は簡単に行えたし、これによって自分もオブジェクト指向開発の概念が理解できたといっても過言ではない
このあと、個人的にもDelphiを購入して、いろいろとテストプログラミングを行ったり、他のプロジェクトでも引き合いが来たりして、楽しかった
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