黒柴的パンセ #23

黒柴が経験した中小ソフトハウスでの出来事 #13

ここでは、中小ソフトハウスで勤務していく中で、起こったこと、その時何を考え、また今は何を考えているかを述べていく

パソコンオタクみたいなやつばかりになったら、どうする?
これもまた、黒柴が人事担当の役員Eから言われた言葉である

この言葉を言われたのも、人事考課会議の席だった
パンセ#22で書いたように、自社は新卒採用に苦労していた
採用もさることながら、採用した新入社員の定着率も悪く、そのため若手社員が不足していた
採用やOJTについては、そのうち詳細を整理しようと考えているが、退職している新入社員を見ると、みなこのソフトウェア開発という仕事に興味が持てない、ついて行けないという感じで、OJT中に退職していったものもいた

そのような状況もあり、黒柴は、人事考課会議の席で自社の採用基準について人事担当役員のEに質問した
回答としては、「コミュニケーション力を重視している」とのことだった
そこで黒柴は、
「コミュニケーション力も良いが、退職した新入社員の多くが、このソフトウェア開発(主にプログラミング)という仕事に、前向きに取り組めていないように思える
だから、採用基準として学生時代にプログラミングを行ったり、日常的にパソコンを触っていて、プログラミングに興味があるという部分も重視してもらえないか?」
と提案した
その回答が、表題の発言である

なぜ、役員Eはこんなことを言いだすのかというと、E自身がもともとソフトハウスにエンジニアとして採用されたが、ソフトウェア開発に興味が持てず、人事関連職に移ったという経緯がある
そのため、「パソコンに詳しい」≒「パソコンのことしか知らない」≒「他のことは全くダメ」と、変な価値観を持っているのだ

実際の所、コミュニケーション力とパソコンに詳しいということについて、相関関係はないと思う
そのため、パソコンに詳しいか、詳しくないかにかかわらず、一定の割合でコミュニケーションが下手な人間は存在した
事実、役員Eが人事担当として採用した新入社員の1名は、コミュニケーション力を重視したという割には、そのコミュニケーション力に問題あった
担当のグループマネージャと定期的な1on1ミーティングで、まともに会話もできないため、「そういう察して欲しいと言う態度は改めて、きちんと自分自身の意見・感想を発言できるようになったほうがいいよ」と、マネージャから指導されてしまう始末だった

人事担当がそのような変なバイアスをもって採用活動を行っているため、採用している新人の定着率も散々だった
酷いときは、3名採用した新人が1年以内に2名退職した

一つSNSを引用させていただいたが、これはかなり的を得た内容だと思っている
アメリカでは、ソフトウェアエンジニアは大学で情報工学の学位を取ったものが就くハイクラスな職業らしいが、日本では大学の専攻にかかわらず、誰もが就くことができる職業である
ただ、このソフトウェア開発という職業に興味を持てるか否かというのは、最も重要な要素だと考えている

結果的に採用担当者がおかしな価値観を持っているため、新入社員を含めて皆が不幸になっている
諸兄らの会社では、このような価値観を持っている人は居ないだろうか?


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