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チャージ料(お席料)はなぜ必要なのか?


チャージ料はなぜ必要か?

ある特定の飲食店はチャージ料(お席料)を設けている場合があります。
座っているだけでお金を取られるisなぜ?

なんだか、
当たり前に存在しているチャージ料ですが、
そもそも素朴な疑問。
チャージ料ってなんの為に存在しているのでしょう?

私が経営しているお店はメイド喫茶。
厳密には細かい区分があるのですが、
大枠ではコンカフェ(コンセプトカフェ)
と呼ばれる業種に属しています。

現在、多くのコンカフェでは
1時間500円~1500円の
チャージ料を設定しています。

昔ながらのメイド喫茶、メイドカフェではチャージ料を取らないお店もありますが、最近のお店はほぼ必ずチャージ料があると思います。

チャージ料を取らずとも
やっていけるお店もある。
ならば、なぜチャージ料を設定するのでしょう。

私が考える限り、
チャージ料を設定する理由は
恐らく3つあると思います。
一つは、
お店の売上を安定させるため。
もう一つは、
回転率を上げなくても良いため。
そして、
迷惑なお客様に対する防衛のため。

◇安定した売上

チャージ料があることによって、
お店の売上は安定します。
ドリンクを一杯ずつ売ったとしたら、
一人のお客様が注文されるドリンクの数は1~2杯。
その時々で売上が一人当たり
700円~1,400円。
かなりバラツキが出ます。

しかし、チャージ料がある場合。
例えば、1時間1,000円ならば……。
必ず最低限1,000円の売上は確定するわけです。
それにプラス、ドリンク1杯の値段。
こんな芸当ができるのは、この業界ならでは。
お店側からすれば大変ありがたいことではあります。

◇回転率を上げなくてもいい

ドリンクを1杯ずつ売るとしたら、
先程も言った通り
一人のお客様が注文されるドリンクの数は1~2杯。
そうすると、
回転率を上げなければ商売になりません。
一日に50人も60人もお客様にご来店いただかないと
お店として成り立たないわけです。

しかし、チャージ料がある場合。
例えば、一時間毎に1,000円ならば。
二時間いて2,000円。
三時間いれば3,000円。
一人のお客様が長くいればいるだけ、
チャージ料が発生します。
よって、少ないお客様でもお店を成り立たせることができるのです。
お客様の数が少なければ、
メイドさんも落ち着いて接客することができます。
お店の雰囲気も落ち着いたものになるでしょう。

◇迷惑なお客様に対する防衛

以前、こんな事がありました。
缶ジュースを大量に抱えた方がお店にやってきて

「俺も飛び入りで商売させてくれ!」

と言い放ったのです。
明らかに商売を目的に来た雰囲気ではありませんでした。
恐らく、若い女性とお話しがしたかったのです。
当然ですが、飛び入り参加はお断りさせていただきました。

世の中には、
できるだけ安く
できれば無料で
若い女性とお話しがしたい方が
実際にいるのです。

私は個人的に、チャージ料には
迷惑なお客様からメイドさんを守る機能もあるのだろうと思っています。
実際に飛び入りで缶ジュースを持ってきた方は、
お店のOPENギリギリまで粘りましたが、
OPENと同時に帰られました。

お客様側のメリットは無い

このように
お店側としてはメリットだらけのチャージ料。
しかし、お客様目線で見ればどうでしょう?

回転率が低いから店内が落ち着いている。
お店の売上に貢献できて嬉しい(??)
くらいのメリットしか思い浮かびません。

メイド喫茶、コンカフェの
チャージ料という文化に慣れている方ならば
チャージ料か……まあ、仕方なし……。
となりそうですが
リトルフォレストが目指すのは
一般のお客様(オタクではない、もしくはライトなオタクという意味)。
一般のお客様がチャージ料という存在を受け入れてくださるでしょうか?

◇チャージ料は諸刃の剣

お店側には大変メリットがあるチャージ料ですが
恐らく、このチャージ料が
一般のお客様を阻む障壁となるかと思います。

席に座っているだけでお金を取られるのでは
よっぽど高級なサービスか
内装が美術館級でもない限り
お客様にメリットが無い

一般のお客様を呼び込むには
思い切ってチャージ料を廃止するか
何かお客様の側に
大きなメリットを作らなくてはいけません。

メリットを作るとなると一見難しそうですが、
実は、そこら辺を上手くやっている事例は沢山あります。
その一つが、
”時間内飲み物のおかわり自由”のシステムです。

誰が最初に始めたのかは存じ上げませんが、
このシステムを発明した方は天才だと思います。

"チャージ料1時間1,000円"の表示だと
えっ⁉︎ ただ座っているだけで1,000円も取られるの⁉︎
と思ってしまいますが……。

"チャージ料1時間1,000円(飲み物のおかわり自由)"
とすればどうでしょうか⁇
飲み放題⁇ 安いじゃん‼︎
と思いませんでしょうか。

飲み物のおかわり自由。
その言葉がついた瞬間。
あんなに高く感じたチャージ料が
激安に感じるようになります。

お気づきかとは思いますが、
飲み物のおかわり自由。
この言葉ばかりに目が行きますが
これはチャージ料です。
巧妙に、飲み放題の皮をかぶり、
変装しておりますが、
その正体は、チャージ料です。

◇魔法の言葉"おかわり自由"

ちなみにドリンク一杯ごとの原価ですが
生ビール150円〜180円
ワイン120円〜150円
日本酒120円〜150円
サワー20円〜60円
カクテル40円〜60円
焼酎30円〜40円
ソフトドリンク15円〜50円
だそうです。

ビール、ワイン、日本酒
この辺りは高いですが……
ソフトドリンクの場合
1,000円の飲み放題だとしたら
20杯飲んでやっと元が取れるようです
アルコールも、サワーやカクテル系ならば
16杯飲んでやっと元が取れる

1時間の飲み放題ならば一般的に
1~3杯ぐらいが普通ではないでしょうか?
たくさん飲む方でも10杯も飲んだら
お腹がタプタプです。

ですので、
チャージ料1時間1,000円飲み放題は
実質、500円〜800円のチャージ料が掛かっているのと同等。

しかも、
普通のチャージ料ならば
お客さんは高いなぁと感じて
なるべく追加注文はしないで安く済ませよう
あまり長居はできないな
という心理が働くかも知れません。

しかし!
"飲み物のおかわり自由"
この文言が入るだけで、
安いなぁ、他に何か追加注文しようかな?
もう1時間延長してもいいかも?
という考えにならないでしょうか!

お店側のデメリットとしては、
追加注文でドリンクは頼まれにくくなる
ドリンクの在庫管理が大変
たくさん飲まれるお客様ばかりだと大変
くらいでしょうか。

もちろん
物事には何かしらのデメリットは付きもの
追加注文はフードを充実させる
在庫管理のシステム化
たくさん飲まれるお客様も
毎回飲んでばかりではないでしょうし、
たとえ、たくさん飲まれても
時間を延長すればペースは落ちます。
香りを楽しむグラスを採用して、
ゆっくり飲んでいただくなど、
デメリットを打ち消す工夫をしましょう。

飲み物のおかわり自由。
まさに魔法の言葉です。
発明したのが、どなたかは存じませんが
このシステムを編み出した方に拍手を送りたい!

◇お客様と共に作るお店

お店にとってメリットがたくさんのチャージ料。

飲み物のおかわり自由以外にも
フードを一品サービスとか
セットメニューでいくらとか
チャージ料をうまく活用する方法は
いくらでもあると思います。

大切なのは
お店にもお客様にも
両方にメリットがあること。

そもそも、お客様が来てくださらなければ、
お店は成り立ちません。

チャージ料一つとっても
お店のメリットだけを考えるのではなく、
お客様に、いかにメリットがあるかを考えなければいけません。

ビジネスというと何か難しく聞こえますが、
単純に考えれば、
どれだけ、お客様に喜んでいただけるか
それが全てだと思います。
お客様から頂くお金は、
その喜びの大きさの表れです。

お店にもメリットがあり
お客様にもメリットがある
そんなwin-winな関係を築いて行ければ幸いです。

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