答えは「空っぽ」
私は何もない空間が大好きだ。
リトルフォレストはどんな水槽か?
以前、メイド長の阿修羅こんから
「メイド喫茶リトルフォレストはどんな水槽か?」
と問われた。
水槽の内容によって、
中に住む魚は変わってくる。
つまり、
お店のコンセプトによって、
中のメイドさんのあり方を変えなければいけないというわけだ。
私は悩んだ。
実はなんとなくだが、自分の中で、
お店の理想像というものはあった。
しかし……。
言語化できていなかったのだ。
うっすらとモヤがかかっていた。
そして更には、ある邪念が私の理想像を阻んでいた。
メイド喫茶なのだから、
"メイド喫茶らしく"あらねばならない。
そういう邪念だ。
しかし、先程やっとその邪念が消え去り、
答えに辿り着いた。
リトルフォレストはどんな水槽か?
その答えは、
「空っぽの水槽」だ。
空っぽとは?
空っぽとは何もないということだ。
何もないとはどういうことだ⁉︎
つまらないではないか‼︎
そう思われるかもしれない。
しかし、
何もないというのは実は強いのだ。
空間は何もないから使うことができる。
例えば部屋の中に荷物がミチミチに満ちていたら、
その部屋は使うことができない。
部屋は、自由に使える空間があるから、
寝たり、遊んだり、食事をしたりできるのだ。
つまり、
何もない=無限の可能性なのだ。
空っぽこそ我が美学
メイド喫茶なのだから、
メニューを充実させたり、
アンティーク家具を揃えたり、
ティーカップを揃えたり、
そういうことをするべきだ。
私のなかには、
そういう強い脅迫観念があった。
しかし、
ぐるぐると悩んでいるうちに、
なぜかスッと迷いが消えてしまった。
そして残ったのが、
私の本当の価値観だ。
空っぽの空間。
禅の修行道場では、
起きて半畳、寝て一畳と言って
一枚の畳の上で、
寝て、起きて、坐禅をして、食事をする。
一つの空っぽの空間が、
生活の全てを内包している。
その空間は時々刻々と姿を変え、
ある時は寝室、ある時は食堂となるのだ。
リトルフォレストも、空っぽの空間で良い。
なんでもできる空っぽの空間という秩序を作りたい。
それこそが、
私が本当に作りたいものだったのだ!
あとは、その中に、
その時々で入るメイドさんが、
過ごしやすい環境を築いてくれれば良いと思う。
お店のベースは私が整える。
あとはメイドさん各々に特色を出していただこう。
これは、メイドの考えと自主性を大切にするという
リトルフォレストの理念とも合致する。
メイドである必要はあるのか?
いくら空っぽの空間でも、
そこが何をする場所であるのかくらいの
大まかなルールは必要だと思う。
やはり、リトルフォレストは
メイド喫茶だ。
メイドがいなければ始まらない。
私は以前、
メイドの白いエプロンは、
ここにオタクありと主張する旗印である。
と書いたことがある。
リトルフォレストはオタクが集まる場所なのだ。
オタクが集まるところには、
やはり、メイドが必要なのだ。
そして、そのメイド服は、
ロングスカートのメイド服がベストだ。
ロングスカートのメイド服は万能服だからだ。
清楚系、パンク系、かわいい系、
なんでも合わせられると思う。
私のメイド服に対する愛情は、
他の人が抱いているそれとは少し違うかもしれない。
私は、メイド服の万能性が好きなのだ。
ベースとなる秩序の上に、
各々の個性を表現できる。
メイド服もまた、
無限の可能性を秘めている存在なのだ。
私が本当にやりたいこと
私が本当にやりたいこと。
それは、たまり場づくり。
そこに全力投球したい。
ゆえに複雑なメニューはいらない。
華美な装飾もいらない。
特別な演出もいらない。
ただ、みんなが集まれる場所を作る。
私は、そこに全エネルギーを集中する。
みんなが集まったら、
そこで各々やりたい事をやれば良い。
そんな自由な空間づくりをしたい。
お店のシステム&メニュー
1時間ティーフリー制。
以降30分毎に追加料金。
メニューは、
日替わり紅茶。
チェキ。
スタッフドリンク。
削りに削ったシンプルなシステム&メニュー。
実に美しい。
私の領域はこれだけでいい。
あとはメイドの領域。
追加料金で、
各々が提供したいものを、その日ごとに提供する。
材料費はもちろんお店持ち。
高級食材は用意できないかもしれないけれど、
なるべく意に沿えるように努力はしたい。
接客の距離感
接客の距離感は喫茶店スタイル。
業務の合間にお客様と少しずつ会話をする。
風営法の勉強をしていたら、
逆にこれ以外の答えがなかった。
今まで悩んでいた時間は何だったのか!
最低限、風営法にさえ違反しなければ、
あとは割と自由にやって良いと思う。
メイドはお客様のそばには付かない。
スタッフドリンクはメイドに対する
チップのような扱いだ。
この辺はマニュアルを作ろう。
シンプルisパワー
全てを削ぎ落として、
お店の形をとにかくシンプルにした。
シンプルゆえに、
その一点だけに全力を尽くせる。
私の中の熱意を全て、
空っぽの空間に捧げよう。
熱意のない商品は、
お客様に見透かされてしまう。
だから、私の中で一番熱い思いだけを残そう。
シンプルは力だ。
熱い想いを込めた空っぽの空間。
それがリトルフォレスト。
空っぽの空間=無限の可能性なのだ。