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わたしと髪色の話
私が髪を染めたのは、大学入学直前のことだった。
特に強い希望があったわけではなく、漠然と「大学生になったら髪を染めるものだろう」という意識があったから染めただけであった。
最初こそは明るくしすぎたり、パーマを強くかけすぎたりしたが、その後の試行錯誤で「長髪・暗い茶髪・ゆるいパーマ」という条件を満たしていればそれなりに見えるとわかってからは、約十数年はこのルールを守って美容師さんにお願いをしている。
私の大学デビューは、結論から言うとそれなりに成功した。しかし、結局長くは続かなかった。
茶髪と覚えたてのメイクをお守りに、沢山の友人ができた。彼氏(夫ではない)もできた。
けれど、それはあくまで大学デビューに全振りした仮の私でしかなく、長く維持することはできなかった。
その後の大学生活は重度の引きこもり――いわゆるうつ状態が続くことになる。外に出るくらいなら食事を抜く。当時の私は本気でそう考えていた。
半年前、休職を機に初めてブリーチをかけた。長く会社に行かないのなんてしばらくないだろうから、派手な髪色にしてやろうと思った。
全体ではなく、あくまでインナーカラーとしてだが、一瞬金髪になった自分を見るのはなんだか不思議な感じがした。
最初のインナーカラーは青にしたが、すぐ緑に色落ちしたので希望通りの色だったのはあっという間だった。
続いては色落ちを考慮して紫にしてみた。すぐにシルバーみのある金髪になったが、肝心の紫がよくわからなかった。ヘアカラーは色落ちも考慮して楽しむものだそうだが、私にはなかなか難しい。
大学デビューにしろ、休職時のブリーチにしろ、私は人生を変えたいときにヘアカラーに頼っている気がする。
髪が綺麗だと、それだけで無敵になれる。ヘアカラーは、あと一歩踏み出したいときのお守りだ。
休職も半年が過ぎた今、私は今後の髪型をどうしようか非常に悩んでいる。
まだまだ休職も続くことを見越してもっと派手なインナーカラーをしてみるか、或いはいっそのことバッサリ短く切ってしまうか。
この悩む時間も、結構楽しかったりする。