どうにかこうにか3周年を迎えられたので、心の支えでもある想いの詰まった「志庵のロゴ」の話をしてみる
2024年7月17日、おかげさまで志庵は3周年を迎えました。
1日はあっという間なのに、この3年間はとても長かったように感じます。そして実は、とてつもなく苦しい3年間でした。
「石の上にも三年」という言葉があるように、思い描いていることを成し遂げるにはもちろん辛抱も必要で、好きなことを仕事にする楽しさと大変さを味わい続けた3年間でした。
うまくいかず不甲斐ない自分が情けなくて、泣きながらご飯を食べた日も数えきれないほどあります。
ただ、3年間コツコツと積み上げてきたものが光の道筋となって、進むべき方向を少しずつ示し始めてくれているような気がします。
悩み苦しみぬいた日々がかけがえのないものだったといつか思える日がくるまで、思案をやめず、歩みを止めず、 じっと耐え忍んでいつか必ず大輪の花を咲かせたいと思います。
ここまでたくさんの人に支えてもらい、たくさん迷惑もかけてきました。
まだまだご心配、ご迷惑おかけしてしまうかもしれません。
先に謝っておこう…ごめんなさい。
与えてもらったものをきちんと返していける人になれるよう、励みます。
そんな笑いあり涙ありの3年間、お店と私を見守り励まし続けてくれたもののひとつが、志庵の「ロゴ」です。
3周年を記念して、一度目にすると覚えてもらえることの多い、不思議な魅力溢れる「ロゴ」の秘密に迫ってみたいと思います。
まずはお店名前の由来を簡潔に。
志庵とは「志(こころざし)」を持つ人や、
想いを込めてつくれらたものの集まる「庵(いおり)」という
意味から付いた名前です。
そんな想いのこもったものが集まる場所の顔でもある「ロゴ」は唯一無二のものにしたかったので、どうしても全て手描きにこだわりたかったのです。
まずは、大体のイメージを決めました。
まずは中心にくる「志庵」という文字。
そんな大切な文字を書いてもらうならこの人しかいない!!と屋久島で最もお世話になった人にお願いをしました。
まるで太陽みたいにいつでも周りを明るく照らし、分け隔てなく救いの手を差し伸べてくれる愛に溢れた人です。私も何度も何度も助けられました。
快く引き受けてくださり、毎日毎日何パターンも書いてくれてお人柄そのものの優しい強さのある、唯一無二の2文字ができあがりました。
たくさんの中から選んだ「志庵」を囲む重要な役割をもつ絵は、初めて逢ったときに嘘のない真っ直ぐさがとても素敵だなと感じた、画家さんに描いてもらいました。
初対面の人にあまり心を開かない私が、どうしてそんな風に思ったのかいまだによくわからないのですが、この人なら心の内の言葉にならない部分を形にしてくれるかもしれないと思ったからです。
きっとご縁があったということなのでしょう。
ロゴを描いてほしいとお願いをした数日後、まだ内装もなにもできていないまっさらな志庵へ来てくれて、最初に1時間くらいこれまでの生い立ちや経歴、お店を始めようと思ったきっかけ、どんなお店にしたいかなどをヒアリングしてもらい、もう一度ロゴに対する想いや使ってほしいモチーフをお伝えしました。
それから、ひとつひとつのモチーフの意味や私の想いを時間をかけて紙に書き出していた姿がとても印象的でした。
そしてなんとその場でほぼ1日かけて、ロゴを描いてくれたのです。
手描きだからこそのアシンメトリーな文字にシンメトリーなサークルを、モチーフで描くというのはとても難しかったと思います。
普段は絵具で絵を描く画家さんなのですが、柔らかい雰囲気を出したいと色鉛筆で描いてくれて、色も志庵のイメージカラーにぴったりで、できあがったロゴは本当に素晴らしく言葉にならない感動でした。
泥の中から咲いた一輪の美しい「蓮」
その息吹の雫となりやがて「波」を起こす
その波から飛び出す幸運の象徴「ホエールテイル」
澱むことなく巡り続ける『循環』を描いたロゴです。
私はお店を始めるとき、どんなに大変でも10年は続けようと心に強く誓いました。
そして10年後にもこのロゴにして良かったと思えるものにしようと想いの詰まったものを形にしてもらいました。
手描きにこだわって良かった。
唯一無二の志庵のためだけのロゴ、3年前よりもずっと好きになっています。
尊敬する経営者の諸先輩方から、3年続けば10年は大丈夫!!という心強いお言葉を頂戴したので、真に受けてここからまた精進していきます。
志庵が10周年を迎えるためには、皆さまの応援なくしては辿り着けませんので、これからも何卒ご贔屓に。
志庵に関わる全ての方へ
感謝を込めて。
志庵 三島佳奈