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スピルバーグの「ウエスト・サイド・ストーリー」はまさに現代ドラマだ

今日はグランベリーパークパークでスピルバーグの「ウエスト・サイド・ストーリー」を観た。

なぜスピルバーグがリメイクに挑んだかについて、いっさい情報は見ないで。
終演後マックでコーヒーを飲みながらスピルバーグの言葉を読んだ。

....レコードを10歳の時に聞いて以来、頭から離れません。長年の夢が実現し、ついに映画化できたのです。
.... 考えの異なる人々の間の分断は昔からあります。ミュージカルで描かれた1957年のシャークスとジェッツの分断よりも、私たちが直面している分断の方が深刻です。
....5年をかけた脚本づくりの過程で気付いたのです。人々の分断は広がり、もはや人種間の隔たりは一部の人の問題ではなくなった。観客すべてが直面する問題なのです。

このスピルバーグの言葉に驚くようなものがないように、ストーリーに変更はなかった。
変更の必要がなかったのは、1961年当時の貧困や暴力や人種間の対立などの問題が2022年においても全く変わらずにあるからだ。

スピルバーグが主要キャストに、キャリアが浅かったり無名の俳優たちを使ったこと。プエルトリコ移民にかなりの分量のセリフをスペイン語で話させたことが、これはまさに現代のドラマなのだとリアリティを高めた。

61年版でも最高に素晴らしかったダンスシーンはよりモダンで迫力があった。曲の編成順序などは構成とともに工夫されていた。映像はもちろんより美しかった。

まったく違うウエストサイドを観せてやる、みたいな変な野心でなく、61年版傑作への深い深い愛情が感じられて嬉しかったし、比較することに意味がない素晴らしい作品だった。
スピルバーグありがとう❗️

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