顧客の「考える」手間を省く
「つい、家を買っちゃいました笑」
「車、気がついたらハンコ押してローン組んでたww」
みたいな話をあなたは友人から聞いたことありません?
複雑な決断になると、その分余計に考えたり検討したりしなくてはならないことは直感的に理解できますよね。それに、疑う余地もなさそうに感じます。
少なくともある種の状況においては、必ずそうでないことが脳科学の研究で進んでいるんです。
アムステルダム大学で
人間が意思決定をする過程に関する研究がされた
のですが、
その結論が非常に面白い結論でした。
単純な意思決定の場合、じっくり考えた方が最適な答えが見つかるのですが、複雑な意思決定の場合は、直感で選択した方がうまくいくみたいなんです。
具体的に話をしていきます。
■商品購入を決定づけるポイント
ある研究者はこんな研究をしたんです。
この2つのグループを比較して購買決定について、グループの満足度を測定したんです。
(この満足度の客観的評価はどうやったのかはわかりませんが。)
この研究の結果、シンプルな商品を購入した人は、じっくり考えて決めたと思えた場合は自分の意思決定に対する満足度が高いものでした。
家具など複雑な商品の購入をした人は、直感的に買ったという人ほど満足度が高いという結果が出たんです。
つまり、シンプルな商品を購入した人と、複雑な商品を購入した人では意思決定が真逆だということです。
■商品購入を決定づけるポイント:シンプルな商品の購入例
あなたはこれからUNIQLOまたはGUに行って服を買おうとしています。
今の時期は冬ですから当然、暖かいものを買いたいわけです。
目的はセーター。
買うとなると今持っているパンツやアウターとどう合わせるか、どのカラーが自分に似合うもので合わせやすいものなのかを吟味します。
このカラーだとあのアウターとはあうけど、あのデニムには合わない。
このデザインだとちょっとアウターとは合わない。
なんて吟味します。
吟味します……..
そう、吟味するんです!
吟味って簡単に説明すると、じっくり考えるってことですよね?
あれ?
先ほど、服などシンプルな商品を買いに来た人はどんな意思決定でしたっけ?
そう、じっくり考えた人でありじっくり考えたからこそ満足度が高いんです。
■商品購入を決定づけるポイント:複雑な商品の購入例
スマホ、たった今、あなたのスマホが壊れました。
と同時に洗濯機も回していたはずなのに急にとんでもない音とともに動きを止めました。
うんともすんとも言いません。
これはまずい。
外部との連絡も取れなければ、
まだ終わっていない洗濯物が山のように残っています。
急いで、近所のヨドバシカメラに向かいます。
まず真っ先に向かったのはスマホコーナー。
外部と連絡が取れないとなるとTwitterができません。
SNSビジネスをしてる人は死活問題です。
さて、どのスマホを選ぶか。
やはり、Appleユーザーとしてiphone14proを買いたいところだが実はちょっとGoogleピクセルも気になっている。
どうしよう。
お?なんだこのGoogleピクセル。
カラーもいい感じだし、デザイン良くね?
このカラー、iphoneにないよな?
よし!これにしよう!!
『すみません!これ買いたいんですけど。』
チャリーン….
よし!買えた!なんなら好きなカラーで買えたしスマホ壊れてよかったかも!!次は洗濯機だ!
洗濯機はせっかくだし、ドラムとか買っちゃうか!?
いいよね!?ボーナス全然使ってないし!?
よおおおおし!ドラム買っちゃえ!!!
『すみません!このドラム式洗濯機を買いたいんですけど。』
チャリーン…….
■気がつきました?
この服の例
スマホと洗濯機を同時に買った例
皆さん、読んでもらって気がついたと思いますが
間違いなく皆さんもこのように意思決定をしています。
つまり、安価なものほど吟味し
高価なものほど直感で買ってます。
この意思決定を逆にしてみましょう。
という感じになるのではないでしょうか。
■あなたの有料コンテンツを手にとって頂きたい!と考えるなら脳死で手に入れて欲しい?それとも吟味してほしい?
あなたがこれから販売するであろう
有料コンテンツ。
それはきっと手に取る方にとってはめちゃめちゃ有益なものかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
となるとヘッドラインやオープニングでしっかりとその辺りをクロージングしないといけません。
さらに手に取ってもらいたい人にとってそのコンテンツの質は、どんな意思決定だと満足できるのかどうかを吟味することが購入心理の誘導になります。
そしてこれが、お客さんの「考える」手間を省くということです。