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民事信託における監督機関の設置の意義

月報司法書士[1]の一般社団法人民事信託推進センター・代表理事押井崇司法書

士・民事信託士「民事信託における監督機関の設置の意義」からです。

 

日本司法書士会連合会 月報司法書士

https://www.shiho-shoshi.or.jp/gallery/monthly_report/

 

一般社団法人民事信託推進センター

https://www.civiltrust.com/


「あなたの判断能力が低下した場合に備えて民事信託を活用し、今から信頼できる家族に託しておきませんか。」「そうしておかないと、硬直的な後見制度に依拠しなければなりませんよ。」おおよそこのような謳い文句で集客をはかる司法書士等のホームページが散見される。前段に異論はない。まさに民事信託を活用する積極的な理由である。問題は後段である。あたかも民事信託を活用しなければ取り返しがつかなくなるといった誤った認識を喧伝し、民事信託へミスリードする。この種の喧伝を行う司法書士等は、後見業務に携わっていない者が多いのではないか。後見業務の実務に精通し、誠実に業務に従事している者は、このような認識を持ちえないからである。

   「あなたの判断能力が低下した場合に備えて民事信託を活用し、今から信頼できる家族に託しておきませんか。」「そうしておかないと、硬直的な後見制度に依拠しなければなりませんよ。」のような謳い文句で集客を図る司法書士のホームページがどこにあるのか分かりませんでした。

    問題は後段である。あたかも民事信託を活用しなければ取り返しがつかなくなるといった誤った認識を喧伝し、民事信託へミスリードする、については、書き方や捉え方の問題だと感じました。選択肢として、(任意)後見制度を民事信託と同列に載せるか、民事信託を上位に置くかの提案になるので、司法書士法3条上も意見が分かれる、というところが個人的には問題になるのかなと感じました。著者が問題だとしているあたかも民事信託を活用しなければ取り返しがつかなくなるといった誤った認識を喧伝し、民事信託へミスリードする、という事に関しては司法書士法2条(業務精通義務)に入ると考えられますが、私の認識とは違うと感じました。

   この種の喧伝を行う司法書士等は、後見業務に携わっていない者が多いのではないか。後見業務の実務に精通し、誠実に業務に従事している者は、このような認識を持ちえないからである、については、私は後見業務を専門で行っていた時期もありますが、どのような根拠で「このような認識を持ちえない」、と書かれているのか分かりませんでした。


「委託者が、信託契約などに基づき、受託者に対し、信託財産を移転し、受託者は、委託者が設定した信託目的に従って、受益者のために、信託財産の管理及び処分などを行う制度」

   信託財産、は財産に訂正(信託法2条1項)。委託者が設定した、は委託者及び受託者が設定した、に訂正(信託法2条、記事では信託契約が主とされているため。)。管理及び処分、は管理又は処分に訂正(信託法2条1項。実務では管理のみという民事信託は少ないので、及びを利用している可能性があります。)

 

「信託口口座」とは、受託者で名寄せされるが受託者固有の財産とはならない口座のことで、倒産隔離機能を有する口座である。


   受託者で名寄せされる、という箇所が、よく分かりませんでした。

参考

令和3年9月17日東京地方裁判所判決平成31年(ワ)第11035号損害賠償請求事件

当該金融機関において、内部システム上、当該受託者の個人名義の預貯金口座(固有財産に属する預貯金口座)に係るCIF(Customer Information File。顧客情報ファイル)コードとは別異のCIFコードが備えられる、内部手続上、当該預金口座とは異なる取扱いがされる旨の規定が設けられるなど、当該預金口座から分離独立した取扱いがされる預金口座、の要件を満たす口座。


信託口口座を開設する予定の金融機関から契約書案のゴーサインが得られ次第、公正証書作成のために契約書案を公証役場に提示する。


    色々な方法があるのだなと感じました。私は契約書案を、公証人役場(公証センター)と金融機関に提示するのは、同時です。公正証書作成の日付を決めておいて(予定が変われば変更します。)、金融機関に提示することで返答が欲しい日もお願いすることが出来ます。公証人役場(公証センター)、金融機関、その他の機関全て同時進行になります。この場合は、1つの機関から指摘があって契約書案が変更になる場合は、他の全ての機関に連絡することが重要となります。

 

ただし、そのためには信託の知識だけではなく、遺言、後見、基礎的な税務に関する知識や経験が必要である。


    経験、に関しては経験者に訊くことで解決出来るのではないかと思います。経験を必要条件としてしまうと、民事信託支援業務を行う司法書士は、極端にいうといない、という事になります。また経験者の立場から書いているとすれば、今後、民事信託支援業務を行う司法書士は出てこない、という意味なのか、いずれにしても無理があると感じます。


そこで、私(司法書士)が信託監督人に就任します、と提案しても快諾されるケースは稀である。先に申し上げたように、民事信託を組成する目的の一つが「後見制度の回避」だからである。


   記事中の、「そうしておかないと、硬直的な後見制度に依拠しなければなりませんよ。」おおよそこのような謳い文句で集客をはかる司法書士等のホームページが散見される。前段に異論はない。まさに民事信託を活用する積極的な理由である。問題は後段である。あたかも民事信託を活用しなければ取り返しがつかなくなるといった誤った認識を喧伝し、民事信託へミスリードする。、との整合性が分かりませんでした。また、記事後半では民事信託に関して信託監督人や受益者代理人の設置を検討する必要があるだろう、と記載がありますが、具体的にどのような方法で設置するのか、分かりませんでした。

 


令和4年4月1日、一般社団法人民事信託士協会と一般社団法人民事信託推進センターが合併し、新たに一般社団法人民事信託推進センターが誕生した。民事信託支援業務の専門家である「民事信託士」の育成に引き続き注力しつつ、民事信託に関する研鑽を深め、健全な民事信託の発展に寄与する所存である。


民事信託推進センターで民事信託士の育成に注力するため、ということでしょうか。

https://miyagi-office.info/%e5%a4%a7%e8%b2%ab%e6%ad%a3%e7%94%b7%e3%80%8c%e7%a6%8f%e7%a5%89%e5%9e%8b%e4%bf%a1%e8%a8%97%e3%81%b8%e3%81%ae%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%81%a8%e5%b0%82%e9%96%80%e8%81%b7%e3%81%ae%e5%8f%96%e7%b5%84/

 

 

https://miyagi-office.info/?s=%E9%99%A4%E5%90%8D

 

 

 

 

 



[1] 2022年6月、604号、日本司法書士会連合会P34~

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