【3分物語】あなたと。#800

趣味も違えば、価値観も違う。
それでもこの先、
あなたと人生を歩むことを選んだ。

旦那はアクティブ派な私と正反対の
物静かなインドア派で1人小説を読んでいるようなタイプ。

友人の紹介で知り合った私たちは
もちろん趣味も違えば価値観も違う。
それでも、旦那の居心地の良さに
惹かれたのだと思う。

結婚して5年目。
私たちには娘がいる。
まだまだ手のかかる、3歳の娘。
絶賛ママっ子だ。 
旦那は必死に育児に参加しているが
娘はママっ子だ。

今日は2か月ぶりの1人時間。
旦那と娘は2人でデートの予定だ。

美容院に行って、友人との約束前に一度家に戻ろうとした時、事件は起こった。

マンションのエントランスの木陰から
旦那と娘が車に乗り込む姿を確認。

旦那と目が合う。

必死の目力で隠れろという合図。

エントランスを通るには車から
どうしても見えてしまう。

娘の「ママ、ママ」攻撃が始まったら
デートどころではなくなる。

ここで旦那は勝負に出る。

娘の背中にエントランスが来るように向き合い、
全力で踊り出した。

いつも物静かな旦那の初めてのダンス。
全くもって上手いとは言い難いが必死に踊っている。娘は突然踊り出すパパにキャッキャと楽しそうに笑う。

呆気に取られていると、旦那と目が合い、
今のうちに通れ との目線。

急いでエントランスを通る。

エレベーターに乗り、我に返る。

いつも物静かな旦那からは想像できないダンスに思い出して笑ってしまう。

そして旦那から通知。

「任務完了。ランチデート楽しんできます。
    今日はパパっ子の日にしてみせる。
    そちらも楽しんで。」

娘とのデートを楽しみにしていたらしい旦那。
そのためのダンス。。。

あぁ、今日も愛おしい。

私たちは趣味も違えば価値観も違う。
だけど、子育てに奮闘したことを老後に写真を見ながら笑える相手。
だからこの先もあなたと歩んでいこうと思う。

子育ても夫婦円満の秘訣なのだ。


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