アニメ 感想

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『体操ザムライ』

 体操がテーマの作品だという事で現実よりの堅実な作品かと思いきや、蓋を開けてみたら充実したサブキャラの登場により本来主要であるはずの体操以外の要素の方が面白くなってしまった怪作。
 ストーリーは過去の大会で怪我を負ってしまった主人公、荒垣城太郎が再び体操界で返り咲こうともがくシンプルなものであるが、前述の通り本作は彼を取り巻くサブキャラに魅力がある。忍者と自称するロンドンバレエ界の貴公子レオナルド、元傭兵の黒ギャル、鍼治療するオカマ、しゃべる鳥など、リアル寄りの作品を期待した人ほど度肝を抜かれるだろう。主人公の嫁は他界しているが大女優で、家に帰ると水色と黄緑色のでっけぇ鳥が出迎えてくれるのだ。しかも名前が「BB(ビッグバード)」というこれまたスゴいセンスをしている。その鳥が山口勝平ボイスで「ワラエバエエンヤデ」と励ましてくれるのだ。もうこの時点で面白さの平均点を軽々超えている。
 そんな充実したサブキャラの中でも私が最も好きな人物が主人公の娘、荒垣玲だ。彼女は小学生にして練習に励む父を支え、人前ではその辛さやうちに秘める悲しさを見せない。そんな彼女はとても健気で今は亡き大女優である母の影を追っている。彼女が自身の心情を吐露するシーンはベタ中のベタ展開ではあるが今までの彼女の気持ちを想像すると自ずと涙が出てしまうのだ。
 もちろん私が体操に疎いということもあるので本作の大層描写がどれほどまでに素晴らしいか説明することはできない。しかしそれを取り巻く人物描写が秀でているのでスポーツものが苦手な人でも本作は楽しめるものになっていると思う。

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『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』

 ネット界隈でもたびたび話題になっている本作、とんでもない描写で送るラップバトルや荒唐無稽なストーリーはさすが話題作とあって目を見張るものがありました。
 こういうアニメはただ垂れ流しているだけでも楽しいのでいいですね。ラップバトルという名のRPGコマンド式バトルがほぼ毎回展開され、ラップにはあまり関係のないサイドストーリーも中々のぶっ飛びぶりで飽きさせることはないストーリーテリングは見事ですね。こういうのは作り手は意図的にやっているのか本当にライブ感で脚本を仕上げているのか、おそらく前者であることがほとんどですけどそこをいかに視聴者に感づかれないかが肝です。視聴者はそういう”わざと”を見抜く力はかなりあるので手抜きをせずに真摯に向き合って作品をよりぶっ飛びに振り切る手腕は本作はみごとです。
 僕のお気に入りのキャラはチーム摩天楼の寂雷先生です。ヒプノシスマイク発動時のスピーカー展開がまさに宗教画みたいで好きです。スキルという後半に急に出てきた要素もからの場合は「回復」というサポート系になのもいいですね

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