木曜劇場「わたしの宝物」第3話感想(ネタバレあり)
こちらは木曜劇場「わたしの宝物」の第3話のネタバレありの感想をまとめているものです。未視聴の方はお気をつけください。今すぐTVerに駆け込みましょう。
第2話では幼馴染との子を夫の子と偽って育てる”托卵”を行うことを決めた主人公の神崎美羽(松本若菜)と夫:宏樹(田中圭)はお互い折り合いをつけ美羽が育児、宏樹は金銭面で困らせない代わりに育児参加はしないということを決めた。しかし無事に子どもが産まれたものの子どもを抱いて泣く宏樹の様子を初めてみた美羽は戸惑いを覚える。そしてアフリカでテロに巻き込まれ死んだはずの冬月稜(深澤辰哉)が生きていた描写が描かれていた。
以下3話感想です。
美羽は退院の日に早退してきてくれ荷物も持ってくれた宏樹にまたも戸惑う。
そして美羽は自身の名前が父親から付けられ離婚により離れても存在を感じることができたという経験から宏樹に子どもの名前を依頼する。
その後美羽が冬月との思い出のしおりを母子手帳に挟んで上から押し付けるシーン。音響が張り詰めたような、高い弦楽器なのかな。張り詰めたような印象を受ける上に松本若菜さんの眼力すごい。
表情と音響とセリフで美羽は本当に”托卵”と言う行為の覚悟が本格的に決まった瞬間だと思いました。
しかし宏樹が名前考えたと差し出したノートにはびっしり人気ランキングから画数、意味まで考えられていて子どもに対する愛情いっぱい。仕事が忙しく子育てにも参加しないと言っていたのにここまで考えられているのは予想外だろうし美羽も驚いただろうな。
そして宏樹が推したのは美羽が母子手帳に挟んでいたしおりを見て、俺はこの子に何もしてあげられないけど道に迷わず進んでほしいと言う願いから『栞』がいいと思うんだと言う。
不覚にも冬月を思い出させるような名前。せっかく宏樹の子として育てる覚悟を決めたのに子供の名前を呼ぶたびに見るたびに冬月が頭によぎると言う残酷展開…….。見ていても表情から複雑な心境が読み取れて視聴者側からみても心が苦しかった。
そしてお宮参りのシーン。
お宮参りの準備に慌てる美羽を宏樹は横目で見ながら仕事に行ったはずが病院の先生を説得し入院している美羽の母親を迎えに行っていた。
まだ美羽の母親の病院へは栞を連れて行けない、けれど美羽一人では母親を送り迎えできないと諦めていたのに。しかもお宮参りでの宏樹はいいパパで表情も柔らかかった。カメラで「栞、こっち見て!」とか声色からめろめろパパ丸出しだし……。
この様子と母親の本当にいい人と巡り会えて良かったと言うところから覚悟したはずなのに美羽の中の”托卵”に対する罪悪感はどんどん大きくなっていく。
幸せな光景のはずなのに、うまく笑えなくて心が苦しいのが美羽の表情からよく伝わってまた心が苦しくなりました。
そして宏樹は寝かしつけ変わるよとも言ってくれるようになった。
さらに今までのことを謝る宏樹。
なんかすごい宏樹が進歩というか改心してる!?子どもに対しての目線が変わり始めたと思ったら美羽との関係性も良好になってきている。
1話で子どもができたら私たちも変わるのかながあながち間違いではなかった。
これが宏樹との子どもだったら心の苦しさはなかったのに冬月との子だし、
でもあのままの美羽と宏樹の関係性では子どもはできなかっただろうし冬月との出会いのおかげで、子どもができたおかげで、関係性修復が皮肉にもできてしまって巡り合わせをすごい感じてさらにしんどくなる。誰か1人だけが悪いということはなくて強いて言えばみんな悪いしタイミングが全部悪い方向で噛み合わさってしまって気持ちのやり場がない。
宏樹パパになる宣言……..。苦しい、こんなにも改心して子育てもしてくれるのにこの子は宏樹の子ではないなんて苦しすぎる。
しかしもう宏樹の子として育てる決意をした美羽は宏樹は栞の父親だよという。
事情を全部知っている視聴者側としては残酷すぎてしんどい。
よく産後の恨みは一生と言いますが産後にここまで優しくされると一生の恩になってしまいそれがまた美羽の心の棘になったんだろうなと学生ながら思いました。
それからの宏樹はほんとにすごい。
我が子の顔を待ち受けにして会社も軽い足取りで行けるようになったし、パワハラ上司にも意見ができて大きなプロジェクトを降りてどんなに汗水垂らしても手に入らないものはあると子どもを優先したし。
喫茶店のマスターにもデレデレしながら新しいお守りができたと自慢して立派な娘溺愛パパになりました。
田中圭さんのデレデレパパシーン見ていて幸せでにこにこできるのでもっとください。
冬月は日本に無事帰国し莉紗と下原家を訪問していた。
亡くなってしまった下原の遺族である弟:隼人を演じるのは西垣匠さん。
この話のシーンはここのみなのに存在感がすごい。圧倒的な演技力。
ちょっとやさぐれたような隼人を言い方や姿勢、莉紗や冬月は正座だけど話を聞くときに引扉に寄りかかって聞くなどですごく表している。不信感というか会いたくないけど兄のこと聞くために感をすごい感じる。
隼人は両親を早くに亡くし、身内は兄のみで親代わりだった。しかしそれが嫌で3年くらい連絡を取ってなかった。生きていると聞いていたのに1ヶ月経って死んだと聞かされたが死んだと聞いたら話したかったこと、後悔とかいっぱい出てきた。死んでると分かっていても待ってしまう。冬月の顔を見たらやっぱり死んだのは兄の方と見せつけられた気がする。あなたたちだって十分傷ついているのは分かってます。会いたいのはあなたじゃないんです。という。
ここまでの内容のセリフの絶妙な間の取り方。酷いこと言ってすみません、と謝れるいい子だからか間で言葉を選んで極力冬月たちを傷つけないようにしてるのが伝わる。
そんな隼人を酷くない。と肯定する冬月。やはり優しさの塊である。お互い傷ついていることがわかっている上でさらに隼人の方が当たり前だが傷ついているのがわかっているからこそその気持ちを受け止める冬月はやはり自己犠牲の塊かもしれない。そのような気持ちをたくさん抱えていたら感情移入しすぎて心がいっぱいになって壊れてしまいそう。
莉紗はおそらく今更?故意に間違えたことを後悔。
あの時は冬月を自分のものにしたいという一心が強かっただけだけど流石に嘘でも死を利用するのはしんどい。
なのにこのくだりがあっさり終わっていてびっくりしました。私は莉紗を許しません。
それでも冬月はあんな状況だったんだ。誰だって混乱するよ。と慰める。
時にはその親切が人を傷つけるんだ……。よくない。悪いことは悪いと言わないと。でも本当に莉紗が混乱しすぎて間違えたと信じ込んでるのだとしたらピュアボーイすぎるので知らないうちに詐欺に巻き込まれないように気をつけてください。
そのあとラーメン屋へ。3人で日本に帰ってきたら食べようと約束していたから3つ注文。そういうのを忘れない冬月本当に好きです。そして深澤さん相変わらず飲み込みが早いですね。しかも個人的にはよく噛んでるねと思ってしまったのでSNSを見てびっくりしました。
そしてまた隼人に会いにいく、何度でも行く。下原の代わりにできる限りしたい。遺族の方に責任がある。という。
いや莉紗が行きなよ!?無駄に期待させて新たな傷作ったじゃん!?
莉紗は莉紗でそうやって一人で背負おうとしないで私にも分けてよ。なんて言ってなんかいい感じになっちゃってえ〜?って感じたのですが皆さんどうでしたか?
そう言われた冬月は下原の分のラーメンを莉紗に分けて軽くおちゃらけて場を和ませてからの
また人たらし冬月出ちゃった。しかも場を和ませてからの真面目に感謝されてという塩梅がまさにモテる男すぎる。酷い。苦しい。
その後1人で遊歩道を歩く冬月。ここから回想が入る。
スーツケースがあることからおそらく体を重ねた後かな。お見送りの途中と感じる。そこで冬月は学生時代のことを話しだす。
お互いがお互いの言動に救われていたんだ。そしてお互いの顔と声色が和やかすぎる。そこからの直球ストレート告白で手を繋ぐけど、恋人つなぎじゃない。ひたすらに優しくて綺麗な空間。けど冬月はここで手を繋いだことにより美羽と同じ気持ちであることが確かめられたと思っているのかなと思いました。美羽と冬月のシーンは綺麗すぎて現実味がなさすぎて夢のようで変な感じもする。
個人的には一瞬アイソレが気になってしまいました。深澤辰哉が顔を出しました。
そして冬月は図書館を訪れる。
生きていることを司書さんに報告すると案外こういうことはニュースにならないのねと言われてしまう。また司書さんの話から美羽が心配してたことを知る。
多分ここでもしかしたら生きていること知らないのかなから美羽が心配してるなら大丈夫か!思考になるのかな。
また冬月と莉紗は会社の再出発に向けて動き出す。
そんな中冬月からちょっと抜けていい?と言われた莉紗。
間をおいて会いに行くの?やめなよ。というが冬月は
え?(ちょっと低め)
と返す。深澤さんの声色での演技のバリエーションが増えたことを感じる。
そして、待っててくれてると思うんだという冬月に
そうかな?
といった莉紗に対して冬月の目は怖め。目での演技もできるようになってる感動。
ここから莉紗はそうかなっていったところから冬月の顔色を伺い出す。
冬月って怒った時や不機嫌なときって言葉には出さないけど何気に1番怖いのかも。
冬月が美羽との再会を待ち望んでいることは知らないまま美羽と宏樹は栞の1ヶ月検診へ。その後にどっか行きたいところない?と言ってくれる宏樹。優しい、本当にいい夫、パパになってる。そんな中美羽は給水塔に目が入り図書館に行こうとする。
美羽は冬月と揃いのしおりを本に挟み置いていき、冬月との思い出を図書館にしまいこもうとしてたのだ。
せっかく冬月とのことは忘れて、思い出さないようにして宏樹と栞とのことを考えていたのに帰ろうとするところで冬月との再会を果たしてしまう。
今じゃないよ!!!!自担だけど今じゃないよ!!!!
やっと会えた。会いたかった。とハグする冬月の顔が本当にいい。
愛おしい人に向けるものすぎる。表情からも演技力が上がったことがすごくよくわかる。
2話で美羽が消していたアフリカのテロに関するニュースでもしかしたら冬月の生存が報じられていたかもしれない。それを知っていたら美羽は宏樹と円満離婚をし冬月の帰国を待ち望んでいたかもしれない。ちょっとしたところからの出来事のかけ違いを感じました。
美羽や宏樹と異なり冬月の暗かったり後ろめたい過去のバックボーンがわからない故に浮いているようにも感じる冬月。しかしどこか現実にいそうな雰囲気のある部分もある。そんな現実にいそうなのに掴みどころがなく不思議な人物をものにする深澤さんももちろん目線や声のトーン、表情のバリエーションが増え演技の根幹も固まっているように感じる。そんな深澤さんの演技力をみたい気持ちはあるけれども神崎家族の温かい描写、特に宏樹のパパ姿をずっと見ていたいので冬月、美羽と再会しないでくれ!と思いました。
1話と2話は時間の進みが早かったものの3話は比較的ゆったりしたような進み方、しかし1話で印象付けていたモラハラはどこに行ったのかと思うほど完璧に立派なパパ、夫になった宏樹と冬月の帰国から再会という大きな出来事を描くことにより1話と2話と同じくらいの展開による衝撃を受けた。しかしまだドラマは折り返してもいない。考察も止まらずここまで熱中したドラマは久しぶりだ。
楽しみに今週も生きたいと思います。