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木曜劇場「わたしの宝物」第2話感想(ネタバレあり)

こちらは上記の記事で感想をまとめた初回から展開急転直下ドラマ、「わたしの宝物」の第2話の感想です。

 第1話では主人公の神崎美羽(松本若菜)が夫:宏樹(田中圭)からの度重なるモラハラ発言などに嫌気がさす毎日の中で、学生時代の楽しい思い出の地である図書館に向かうと幼なじみで困っている際に寄り添ってくれる冬月稜(深澤辰哉)と再会し宏樹との不同意な行為で心が傷ついたことをきっかけに逃げた先にいた冬月と体を重ねてしまい子どもを妊娠していることが発覚。冬月との子と知ったとき、ニュースで異国の地で冬月がテロの犠牲となったことも知る。愛する人との子を守るため悪女になり托卵することを覚悟するところまでが描かれていた。

 冬月との子を宏樹との子と偽って産み育てることを覚悟した美羽。しかし、偽り続けることができるのかという不安から夫以外にはなかなか言い出せずにいた。
不安な中、親友の小森真琴(恒松裕里)に妊娠を報告。そして世間話の中、1人息子を育てる真琴は以下のことを話しだす。

すごいんですよ、母になるって。強いです。あの子を守るためなら、あの子さえいればどんな辛いことがあっても乗り越えられます。

また母から「何があっても美羽の味方」と言われたことも相まってまた離婚に向けて美羽は動き始める。

 宏樹は宏樹で無理やりの行為で出来た子ということに後ろめたさを感じていた。
そんな中、職場の事業の結果の報告会らしき場で後輩:篠崎は不調であることを指摘されてしまう。宏樹は庇うものの上司に以下のことを言われてしまう。

お前がサポートして全員にゴール決めさせろ。目標なんて達成して当たり前なんだよ。
喜んでる場合か?まともに部下の面倒も見れないで。

さらには裏で庇った後輩:篠崎からこんなことも言われてしまう。

神崎さんって要領悪いよな。あんなこと言うから部長に目つけられんだよ。パワハラビビってやたら俺らに優しいからな。ああいう上司がいれば便利だよなぁ。

ここのシーンで宏樹は日常的に部長からパワハラを受け、残業も後輩から代わり、そんな後輩からは舐められるという板挟みの状況であることがわかる。
想像以上に壮絶な環境で仕事している宏樹が痛ましいよ……。そりゃ仕事で神経使って疲れ果てて家帰ってくるよな。何もする気力起きそうにもないのに家でも仕事してるなんていつか緊張の糸が切れた時が心配だなと思いました。酷い言葉を美羽に浴びせるのは良くないけどこの時点で前回と違って開始数分で宏樹に感情移入をしてしまう。

 ある日、宏樹が外回りをしていると「逃げちゃえば?」という声が。たまたま道でであった喫茶店のマスター浅岡忠行(北村一輝)に誘われコーヒーを一杯飲んでいくことに。そのマスターに宏樹は色々な心情を吐露する。

この間いつも通り出勤しているときに動けなくなって過呼吸気味になったこと。
会社をサボって居酒屋に行ったが酔えなくて家に帰ったこと。
妻は毎日笑顔で機嫌をとること。そんなつもりじゃないのはわかってるけど笑われている気分になること。

どこか飄々としているマスターになら、赤の他人になら、と思ったのかな。
家族など距離の近い人には話せなくても遠い人や赤の他人になら話せることあるよね。少しでも宏樹が吐き出せる場があって良かった。と一安心するとともに信号待ちから青になっても体が動かない描写、過呼吸になる描写が痛々しすぎて見てるこっちまで苦しくなりました。田中圭さんの脆さが出る演技が好きなんです……。
メンタルクリニックを調べるものの行く気配がなくて、宏樹は宏樹なりのプライドが行くことを許さないのかなとも思いました。

 また後日呼び出され、新規プロジェクトのリーダーの話がきたと言われる宏樹。かなり忙しくなること、優先で動くことを伝えられ返事がすぐ出来ずにいると資料で机を叩かれ

やらないとかないからな。上がお前の名前を出したんだよ。

とのプレッシャー。後輩からも期待されさらにプレッシャーを感じてしまう。
完全に逃げ道を無くした宏樹。仮に転職をするにしても自分が言って美羽の仕事を辞めさせた上、子どもができて、美羽の母親の入院費1ヶ月55万6610円を背負っているから逃げ出すと言う選択肢はそもそも出ないのかな……。
そんな中母子手帳の父親の欄が空欄なことに気づいてしまう。
 後日また喫茶店を訪れた宏樹は不安をマスターに吐露する。

子どもができたこと。
妻が喜んでいないこと。
ダメだとわかっているが会社でのストレスを妻にぶつけてしまっていること。
子どもが生まれたら子どもにもストレスをぶつけてしまうかもと思っていること。

背中のみのシーンで表情は見えないけれど大きい背中なのに宏樹が小さく見えて、圧に潰されそうで……。宏樹が本当に不憫で救いはどこなのかとずっと考えてしまう。

話を聞いていたマスターは以下のようにアドバイスする。

奥さん好きだろ?顔に書いてある。本気で好きならちゃんと考えてやんないと。
離れるか、腹括ってしっかり父親やるか。

 2話で宏樹がずっと持っていたハンカチは美羽が会社員時代、おそらく取引に緊張して汗をかいていた宏樹に差し出したものだった。そんなハンカチを握り締めてお守りのように持っている宏樹。ここからも美羽に対しての気持ちが伺える。
確かに宏樹は美羽に酷い言葉を浴びせてしまうけど”お前”とは決して言わないし、濡れて帰った美羽にぎこちないながらも寄り添ってタオルで拭いてあげる優しさもある。また自分の行いはよくないとわかっているし子どもの心配もする。

まだやり直せる!いける!さあどう巻き返す!?宏樹!

俺来月から新しいプロジェクトに参加するから。今よりも忙しくなる。美羽のことも子どものことも何もできない。何もできないと言うよりするつもりはない。俺に何も求めないでほしい。
寝室を分けて家政婦を雇ってもいい。美羽が好きなようにしていい。育児にも口出すつもりない。でも金は出すから。金で苦労はかけない。それでいい?
父親の役目はできない。

あれ?
私からしたらすごいズレてるんですけどみなさんどう思いましたか…….?

でも宏樹の葛藤、職場でのことを見ている視聴者の私たちからすると相当悩んでの苦渋の決断なのではないかなと思える。
反対に何も知らない美羽は美羽で離婚について動き出していたもの入院している母の容体が悪化していた。安定はしたものの気が弱ったのか以下のことを述べる。

ごめんね。迷惑ばっかかけて。前に1人で美羽を育ててきてすごいって言ってくれたでしょ?違うの、全然すごくない。いっつも貧乏でたくさん苦労かけて働きっぱなしで1人ぼっちにさせて寂しい思いばっかり。それでも美羽は辛い時でも笑って私を笑顔にしてくれたでしょ?ほんとはもっと楽しいこととか嬉しいことで美羽をいっぱい笑顔にさせてあげたかった。そんな辛いの乗り越えるための笑顔じゃなくて。私はあなたになんにもしてあげられなかった。私ね怖かったの。私がいなくなったら美羽は1人ぼっちにさせちゃう。そう思ったらすごく怖かった。1人で死ぬのなんて平気。でも子どもを1人にさせるのだけはものすごく怖かった。時々後悔したわ。やっぱりあたしなんかが1人で育てるのが本当に正しかったのかな。美羽の味方だなんて言って美羽が悩んでるのわかってるのにあたし何にもしてあげられない。結局また美羽や宏樹さんにこうやって迷惑ばっかかけて。ごめんなさい、謝っても謝りきれない。ずっと辛い思いさせてほんとにごめんなさい。

このことと母親の入院費からやはり離婚は無理だと思っていたところ。そんな中で宏樹から子育てできないけど金は出すなんていい提案。お互い利害が一致してこの提案はのまれる。美羽にとっては皮肉にもタイムリーで素晴らしい提案となってしまったんだなぁ。関係修復はお互い諦めの方向で割り切った夫婦になるんだなと思いました。

 そして女の子を産んだ美羽。実は宏樹も来ていて宏樹に子どもを抱っこさせると涙を流す。美羽は宏樹のそんな姿は初めて見たという。

 個人的に女の子だったことでおそらく宏樹は表には出さなくてもめちゃくちゃに可愛がるんだろうな、と勝手に思いました……。それと同時に愛情が芽生えた宏樹、背負うものが増えたことをしっかり認識した宏樹が本当のことを知ってしまった時はどんな反応をするのか、この先あんな環境での業務をさらに自分の体に鞭打ってしてしまうんじゃないかという心配しかないです。
 そして実質的女の子の父親は冬月稜もとい深澤辰哉さんで個人的推し始めの時からの願い女の子の父親役が叶ったということで不謹慎ながらも喜んでしまいました、

 一方アフリカでは水木莉紗(さとうほなみ)が同僚の冬月と下原の安否を確認しにいくと1人は治療中だがもう1人は安置所へ、遺体の損傷は激しいという。壁と窓で仕切られていて中には入れず治療中のベットに”Shimohara”とあることは確認でき生存者は下原で死んだのは冬月だとわかる。遺品の中には冬月のパスポートやお守りと言っていたしおりなど明らかに冬月のものが。
莉紗は呆然と冬月の遺品を手にしながら同僚間で意見が食い違った際の出来事を回想する。

簡単に辞める、なんて言うな。莉紗がいないとダメだ。

女の子にあなたがいないとダメってサラッという冬月、流石に人たらしすぎやしないかい…….?好きになっちゃうよ……。なんて罪な男だ…….。

 後日容体が悪化したShimoharaの元に職員の制止を振り切って向かい顔をみると莉紗はハッとしたような顔をする。その後容体は安定してドラマの最後の方でおそらく容体の悪化から数日後現地の警察から患者の身元は下原健太かと聞かれる。
はい、と答える莉紗。

しかし映し出された顔は冬月であった。

そんなことある!?しかもなんで嘘つくの!?

 私は自担ながら包帯が巻かれて酸素マスクをつけてと顔の大部分を覆われていて全くわからなかったので予告でなんかカムバックしてて焦りました。巻き戻してめちゃくちゃテレビに近づいて顔を凝視しました。
 話を戻して、アフリカでのシーンを見直すとおそらく莉紗は容体が悪化した時に顔を見たので下原じゃない、間違えられていると気づいたはず。なのにその後の現地警察からの確認には嘘つく莉紗。意味がわからなくてみんなの考察を漁りました…….。その中で私が1番なるほどと思ったのは

莉紗は冬月に片思いをしている。(公式ホームページの相関図からわかる)

しかし冬月に日本に俺がこの仕事をするきっかけになった大切な人がいるから施工が済んだら1度日本に帰りたい、一緒になるんだ。と言われてしまう。
冬月が死んだとなったら向こう側も諦めるであろう。でも実は生きているから私が隣にいれる。だから嘘をつこう。

という考察。私も女だけど(女ってこわ!!!)と思うほどの激怖考察でしたが納得してしまいました……。でも生きてると伝えられたのに本当は死んでいると聞かされる下原の家族が居た堪れないよ、

そして3話予告

冬月との子の名前を宏樹に考えてほしいという美羽
冬月は日本に戻ってきて会いに行く発言
冬月のド直球告白

とかいうとんでもないものが予告の段階で投下されていて心臓バクバクです。

 1話時点では片思いしている人からのSOSは見逃せず、世間の倫理観より愛する人を救う方を選んだ冬月。まっすぐな愛情で、拗れてしまっている美羽と宏樹との関係とは逆で不倫なのにどこか美しく見えたのに3話の予告では既婚者を意気揚々と迎えに行こうとしたり待ってるはずと信じるかなりズレた冬月。大人なのに不自然に心がまっすぐすぎて裏がありそうだと考えてしまう。ここまでは美羽と宏樹の心の表と裏を描いてきたのだから勝手に冬月のそういう回もあるのではないか、と期待してしまいます……。

 2話も展開がすごく早くて1回見ただけでは全然理解できないけれど個人的には不倫のシーンをダラダラ描かれるよりもいいので来週もおそらくテンポ良く2転3転するであろうこのドラマを楽しみにしています。




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