「騎士団長殺し」を読了して
貸出期間をギリまで使い、村上春樹の長編小説「killing commendatore」をぶじ読了した。
疲れた。目は霞んでいるし首コリも酷い。しかしフルマラソンを完走したような達成感がある。
村上春樹作品は、たしか20代のころに「ノルウェイの森」を読んでみたものの魅力がイマイチ分からずその後は避けるようになった。年末にオーディオブックサブスクのaudibleが2ヶ月99円聴き放題のキャンペーンをやっていたのを機に入会し、たまたまアプリ内で見かけた高橋一生朗読の「騎士団長殺し」を聴いてみたところ、なかなか面白かったので図書館で洋書ver.を借りてきて今日に至る。いやー。疲れた。でも読んでみて良かった。おかげで新しい文体の世界観を知れた。
「騎士団長殺し(killing commandatore」は村上春樹ファンの中でも賛否が分かれる作品のようなのだけど、自分には面白かった。不思議なことに小説を読みながら自分の半生で出逢ってきた様々な人達のことや感情を想い出すことが多かった。この本と同時進行で村上春樹のエッセイ「職業としての小説家」もaudibleで聴き、他作品の書評動画もチェックしたり、洋書を読み進めるストレスを減らすために原書の「騎士団長殺し」も図書館で借りてきて読み、さらにはaudibleで洋書の「killing commandatore」を購入して聴いたり、と、とにかく村上春樹漬けの14日間だった。この作品は村上春樹作品の中だと比較的ファンタジー要素少なめなようだが洋書で読む上ではなるべく単語が日常生活の範囲内のものの方が読みやすいので、自分としてはそこが良かった。自分の半生の想い出呼び起こし装置として、心の本棚に残しておきたい作品である。
さて、次は何を読もうか。
今回、集中して一つの長編小説と向き合ったことで自分なりに洋書を味わうスタイルが出来つつある。audibleではいま続々と「村上春樹作品×有名な俳優による朗読」というコンテンツが増えており、村上春樹の新作長編小説が今春発売と発表されたり、コンビニに行けば書籍コーナーには雑誌BRUTUS特別編集の「合本村上春樹」が置いてあったりと、出版業界による村上春樹攻めの姿勢を感じる今日このごろなのだけど、イチ読者としてこの流れに乗ってみるのも悪くはないなと言う気がしている。きっと村上春樹のような大作家の存在は出版不況に逆風を産めるんだろうなぁ。すごいなぁ。
昨年、早稲田大学構内に村上春樹ライブラリーというのが出来たらしいので、誰か新しい村上春樹作品友だちを作ってココにいっしょにゆくことを自分のこの冬の読書ライフのゴールとして設定しても面白いかもしれない。まぁ、1人なら1人でも良いのだけども。